カジュアルな会話なら『It's like five against one』といった直訳調もアリです。特に子供同士の遊びや家庭内のちょっとしたやり取りで、数の不平等をからかうように使われます。『アベンジャーズ』のラストバトルシーンを説明する時、『サノス軍vs地上のヒーローズ』の構図をこう表現する友達がいました。
軍隊スラングでは『outgunned and outmanned』という言い回しも。武器と人員の両面で劣勢であることを強調する表現で、『メタルギアソリッド』のようなステルスゲームのシチュエーション説明に最適です。どの表現も、日本語の「多勢に無勢」のように四字熟語のリズム感はないものの、状況に応じて使い分けると臨場感が出ますね。
多勢に無勢を英語で表現する際によく使われるのは『David and Goliath』というフレーズです。旧約聖書の『サムエル記』に登場するダビデとゴリアテの戦いが由来で、弱小なダビデが巨人ゴリアテを倒した逸話から、弱者が強者に勝つという意味合いで使われます。
面白いことに、この表現はスポーツの試合やビジネスの競争など、様々なシーンで使われています。例えば、弱小チームが優勝候補を破った時などに『It's a real David and Goliath story!』といった使い方をします。文化的な背景を知ると、この表現の深みが感じられますね。
最近では『underdog』という単語もよく聞きますが、こちらは単に『弱者』というニュアンスで、必ずしも勝利の暗示は含みません。『David and Goliath』には、逆境を乗り越える希望のようなものが込められている気がします。
このことわざを英語で表現するなら、'Two tigers cannot share one mountain'が最も近いニュアンスを伝えられるでしょう。中国起源の表現ですが、権力や支配を争う二者が共存できない状況をうまく表しています。
類似の英語表現として'There can be only one'というフレーズもあります。これは『ハイランダー』という映画の有名な台詞として知られていて、究極の勝者だけが残るというコンセプトを端的に表現しています。ただし、これはややドラマチックな響きがあるので、日常会話では前者の方が自然に感じます。
文化的背景を考慮すると、西洋には'Too many cooks spoil the broth'(料理人が多すぎるとスープが台無しになる)という似たような諺もありますが、これは協調性の欠如に焦点を当てており、対立関係を表す両雄並び立たずとは少しニュアンスが異なります。