海外ドラマのセリフを聞いていると、登場人物たちが『crave』という単語をよく口にする場面に遭遇する。例えば『グッド・ワイフ』では弁護士たちが勝利への渇望を『crave for justice』と表現し、そこには単なる欲求を超えた激しい感情が込められている。
この『crave』こそが「希求」の核心的な英訳と言えるだろう。『desire』や『want』よりも深いニュアンスがあり、肉体や精神が切実に何かを求めている状態を指す。『ブレイキング・バッド』のウォルト・ホワイトが尊敬を『crave recognition』と表現した時、彼の内面に渦巻く病的なまでの渇望が伝わってくる。
比較的新しい作品では『yearn』の使用も目立つ。『この素晴らしい世界に祝福を!』の英語版で『yearn for adventure』という翻訳が使われるが、これはどこかノスタルジックで詩的な響きがある。『long for』とも似ているが、より感情的な色彩が濃い表現だ。
日本語の「希求」が持つ「稀なものを求める」という原義を考えると、『pursue the rare』といった直訳より、これらの状況に応じた英単語を使い分ける方が自然だろう。どの表現も共通しているのは、平凡な欲望ではなく、魂の奥底から湧き上がるような切実な願いを表す点だ。