翻訳作業で面白いのは、言語によって同じ概念を表現する際のイメージの違いです。この諺を英語で説明する場合、'The missed opportunity always seems more valuable'と意訳することができます。
英語圏の文学作品では、この感情を描写する際に『逃した魚』ではなく、『逃した列車』の比喩を使うことが多いように思います。例えば『The train that left was always the better one』という表現は、諺の本質をうまく捉えつつ、西洋文化に根ざした別のイメージで伝えています。
英語には『Easier said than done』という完璧に対応する表現があります。このフレーズを初めて耳にしたのは、高校時代に観た海外ドラマ『フレンズ』の中で、チャンドラーがピエロになる夢について冗談交じりに語る場面でした。
実際に使ってみると、そのニュアンスの的確さに驚きます。例えば友人に『毎日ジムに行くんだ』と宣言した翌日に寝坊した時、苦笑いしながらこの言葉を口にしました。英語圏の人は日常会話でよく使うので、ネイティブっぽく聞こえる便利な表現です。
興味深いのは、日本語と英語で語順が逆転している点。『言う』と『行う』の位置が入れ替わっているのに、同じ意味を伝えられる言語の面白さを感じます。