多面的に見れば、円卓の中でランスロットは戦力の中核であり、理想の騎士像と混沌の源泉を同時に背負っていました。
私は物語を追いかける中で、'Le Morte d'Arthur'に描かれるランスロット像に何度も心を揺さぶられました。戦場では群を抜く腕前で、しばしばアーサー王の側面に立って戦闘を切り抜ける切り札になっており、敵陣突破や一騎討ちで王を窮地から救う役割を担っていました。円卓騎士の中でも最強のひとりとして、騎士団の威信を体現する存在として振る舞っていたことが明白です。
しかし同時に、王妃グィネヴィアとの情事が示すように、ランスロットは個人的欲望と騎士道の矛盾を体現した人物でもありました。そのため彼の振る舞いは円卓の結束を崩す引き金になり、最終的には王国の崩壊へとつながる役割を果たします。私はこの二面性こそがランスロットというキャラクターを魅力的にしていると感じますし、円卓騎士団の英雄像と悲劇的欠陥の両方を同時に引き受ける存在として記憶に残ります。
'NieR:Automata'の終盤、2Bが9Sを庇いながら機能停止するシーンは胸に刺さります。戦闘で損傷した身体で必死に這いずり、彼を守ろうとする姿は「昂り」の極致です。背景音楽の『Weight of the World』が感情を増幅させ、プレイヤーに「守れなかった無力感」と「それでも立ち向かう意志」を同時に突きつけます。
このシーンが特別なのは、キャラクターの感情がゲームシステムと連動している点。操作不能状態でスティックを振り続ける物理的な「昂り」が、プレイヤーの感情と同期します。ヨコオタロウ監督らしい、インタラクティブな物語表現の傑作です。