ページをめくるたびに世界が広がる感覚を忘れられない。僕はまず、短編形式でまとまっている外伝から手を付けるのを勧める。読みやすさとは、話の長さだけでなく視点の絞り方や導入の親しみやすさにも依る。個人的におすすめなのは、公式で出ている短編集『
玉無し外伝:風変わりな日々』だ。各話が独立しているため登場人物紹介や前提知識が簡潔にまとめられており、本編を知らない段階でも楽しめる作りになっている。
短編集の良いところは、気分や集中力に合わせて一話ずつ読める点だ。僕は移動時間や休憩の合間に一話ずつ消化して、キャラクターの細かい掛け合いや設定の補完を楽しんだ。さらに、イラスト寄りの章やコメディ寄りの短編も混じっているので、本編の重さが気になる人でも取り組みやすい。翻訳や流通状況によっては入手が難しいが、公式アンソロジーやファン向けの短編集は比較的読みやすい傾向がある。
全体として、最初に触れる外伝は短編集がベストだと考える。語り口が軽めで、世界観の補完とキャラの魅力を手早く味わえるからだ。もし一冊だけ選ぶなら、まずこの種の短編集で雰囲気を掴んでから、長編や主軸キャラの外伝に進むのが間違いないと感じている。