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子供の頃、牧場で初めて生のいななきを聞いた時の衝撃は忘れられません。録音では再現できないあの振動、胸に響く共鳴は、まさに生命の息吹そのもの。動物学者の研究によると、子馬は生後数時間で独自のいななきを開発するそうです。
アニメ『銀の匙』が描いたように、農家にとっては馬の健康状態を測る重要なバロメーター。調子の良い時の明るい声、痛みがある時のうめき声、それぞれに意味があります。最近では馬介在療法でも、この声の持つ癒し効果が注目されていますね。
馬のいななきは、コミュニケーション手段として進化した独特の発声です。野生の馬は群れの結束を保つため、危険を知らせるため、あるいは仲間との絆を確認するためにこの声を使います。
面白いことに、いななきの周波数は他の動物の叫び声とは異なり、遠くまで届くように設計されているようです。草原のような広い空間で生きる馬にとって、これは生存に不可欠な能力でした。『となりのトトロ』で描かれた猫バスの鳴き声も、このいななきをモチーフにしていると感じます。
現代の乗馬クラブで観察すると、餌の時間近くになると馬たちがいななきを交わすのが分かります。彼らにとっては、私たちが挨拶するような自然な行為なのでしょう。
古来よりいななきは神秘的な力を持つと信じられてきました。ギリシャ神話ではペガサスが天駆ける前に発する声として描かれ、日本書紀には神々の乗り物の鳴き声として記録されています。これほどまでに文化を超えて注目されたのは、その力強さと美しさ故でしょう。
実際に馬と接していると、いななきには個体ごとに微妙な差異があることに気付きます。飼い主の足音を聞き分けて喜びを表すような高音もあれば、見知らぬ人への警戒を示す低くうなるような声も。『ブレイブ・ストーリー』の幻獣たちの描写は、こうした多様性を見事に表現していました。
馬具の進化と共に、人間はこの声を戦場での合図として利用してきた歴史もあります。