風が止み、愛は散る温井美朔(ぬるい みさ)が独立したウェディングドレスアトリエを始めて四年目だった。ある日、唐沢桂昇(からさわ けいしょう)から一通のメールが届いた。
メールには、彼が結婚すること、そしてその相手が幼馴染の伊藤織絵(いとう おりえ)だと書かれていた。
美朔は徹夜でデザイン画を描きながら、ふと桂昇が昔言った言葉を思い出した。
「美朔、卒業したらすぐ結婚しよう」
そんな昔の約束を思い出していると、彼女の目から急に涙が溢れてきた。
その時、携帯の着信音が鳴り響き、電話の向こうから幼い声が聞こえてきた。
「ママ、今日はいつ帰ってくるの?」