ファンの目線から見ると、公式と
モグリの違いは単なる値札以上の意味を持つ。初動で目に入るのはパッケージと添付タグの情報で、そこでだいたいの見当がつくことが多い。公式品なら販売元、版権表記、JANや製品番号、製造メーカーのロゴが明記されていて、版権元の日本語表記や英語表記が揃っていることが多い。逆にモグリ(海賊版)は表記が省略されていたり、誤字があったり、そもそも安っぽい紙やビニールで包装されていることがある。私はコレクションの管理で何度か痛い目に遭ったので、最初にここをじっくり見る癖がついている。
次に触感や塗装のディテールで判断することが多い。公式のフィギュアや限定グッズは塗りやパーツの合わせ目、素材感に差が出る。塗料のてかり具合や細部のシャープさ、重さ(中に詰め物があるかどうか)を比べると一目瞭然のことが多い。価格も大きな手がかりで、相場より明らかに安ければ要注意。公式店や正規取扱店での先行予約情報、メーカーのプレスリリース、イベントでの告知などと照らし合わせれば「この時期にこんな商品が出るはずがない」といった矛盾が見つかる。海外のマーケットで流通しているものは、タグの言語や刻印の位置が違うことがあり、それでも本物の場合があるから、慎重に見極める必要がある。
コミュニティの知恵も頼りにしている。SNSや専門のフォーラム、信頼できるコレクターのレビューをチェックすれば、同じ商品の写真比較や、シリアルナンバーの有無、限定版の証明書(COA)についての議論が見つかる。例えば'進撃の巨人'の限定版メタルチャームでは、公式は裏面に微小な刻印があり、付属のケースも独自仕様だったので、それが一つの判別ポイントになった。最終的には「出どころ」が決め手で、公式ショップや正規取扱店、あるいはメーカー直販のサイトで購入するのが一番安心だと感じている。コレクターとして時間とお金を守るための小さな習慣が、結局は確実な分別につながると思う。