心の奥で期待が膨らむ瞬間というのは、時にだれの胸にも訪れるものだ。俺はシリーズものを追うたびに、主人公が本当に“
ぶちかます”場面を心のメモに書き留めておく癖がついている。特に『進撃の巨人』のように長い伏線が積み重なっている作品では、積み重ねられた怒りや覚悟が一気に爆発するエピソードを待ち望む気持ちが強くなる。
過去の山場を思い返すと、単純な殴り合いではなく、感情の収束点としての一撃がある。周囲の仲間や大義、裏切りや真実が絡み合って、主人公が動かざるを得ない状況になるところだ。個人的に好きなのは、短いカットの連続と静かな間の後に訪れる破壊的瞬間。視覚的な演出や効果音、そしてセリフの削ぎ落としが合わさると胸が締めつけられる。
最終的には、期待される“ぶちかます”瞬間は物語全体の文脈でしか輝かないと思う。だからこそ、長期シリーズのファンはその回での覚悟や結末を想像しては胸を高鳴らせるのだ。