イントロの余韻が忘れられない。
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ケイゾク'の音楽でまず押さえておきたいのはやはり主題歌だ。歌詞もメロディもドラマの世界観と密接に絡んでいて、映像を思い出しながら聴くと場面ごとの匂いまで蘇る。個人的には、声の余白や間を生かしたバラード系の主題歌を何度もリピートしてしまうことが多い。聴くたびに登場人物の表情や、伏線になっていた細かな描写がふっと浮かぶのが楽しい。
サウンドトラックでは、捜査シーンで使われるテンションを上げる短いフレーズ、被害者や事件の悲哀を表現するピアノや弦楽の少人数編成の曲、そしてクールダウン用の静かなアンビエント系の3種類を優先して聴くとバランスがいい。とくに場面転換で挟まれる断片的なモチーフは、単体で聴くと別の風景を見せてくれるから侮れない。
順番は気分で変えるのが好きで、冒頭は主題歌→捜査モチーフ→静寂系で締める流れをよく作る。シーンの記憶を辿りながら曲順を組むと、ドラマ全体のリズムが自分なりに再構築されて、何度も新しい発見が生まれる。結局は聴き手次第で楽しみ方が広がるんだと、改めて思う。