記憶の中で真っ先に浮かぶのは、熱狂的なファン気質と圧倒的な防御力が同居するあの異色の立ち回りだ。コリーダコロシアムでの騒動場面では、周囲の混乱に対して次々とバリアを展開して仲間や偶然居合わせた選手たちを守る描写があって、僕はそこで
バルトロメオの“戦闘としての個性”に惚れた。彼の存在は単なる力任せの格闘とは違い、守ることを軸にした戦い方が際立っている。『ドレスローザ』の一連の場面では、攻撃の直前に瞬時にバリアを展開して弾く、あるいは相手の追撃を遮断して逃走路を作る――そういう運用が何度も描かれていたのを覚えている。
過去の戦いぶりを総合すると、代表的な“必殺技”を名前で挙げるよりも、いくつかの定型動作に分けて語る方が実感に近い。まず典型的なのは瞬時に立ち上がるドーム状や板状のバリアで相手の攻撃を完全に受け止める防御技術。次に、バリアで相手を包んで動きを封じる拘束運用や、バリアを突き出して攻撃の衝撃をそのまま相手に返すような積極的な反撃スタイルがある。さらに、移動や護送のために人や物をバリアで包んで安全に運ぶ“護送=支援”的な使い方も彼らしい戦術だ。いずれも“創造力で戦う”タイプの技で、単純な火力勝負とは一線を画している。
ただし万能ではない点も忘れられない。極端に強い一撃や、瞬間的な対応でバリアの盲点を突かれる場面もあり、バリアの性質上どうしても保持範囲や角度に依存する。僕は彼の真価は単発の威力よりも“仲間を守るために咄嗟に生み出される発想力”にあると思っていて、その点が戦闘シーンで非常に魅力的に映る。ファンとしては、次にどんな形でバリアが使われるかをいつも楽しみにしている。