手持ちのインタビュー記事を順に追ってみた結果、
ミハルの設定裏話は完全にまとまっているわけではないけれど、公式の場で零れ話がいくつか語られていると判断した。キャラクターデザイナーが語った初期スケッチの話や、監督があるシーンで表情をこう変えたかったというコメント、そして声優が演技のアプローチをどう工夫したかといった断片的な情報が散見できる。とくに発売された設定画集の巻末インタビューでは、外見上の小物や色使いに込められた意図が比較的詳しく説明されていて、造形や配色に関する議論が好きな自分には嬉しかった。実際、そのアクセサリーがキャラクターの過去を示唆しているという解釈は、作品を読み直す視点を与えてくれた。
会場でのトークイベントやBD/DVDの特典映像も重要な情報源だった。そこで語られた「台本段階ではもっと内向的だった」という製作側の証言や、あるエピソードで演技プランが変更された経緯は、作品理解を深める手がかりになった。ファンの議論で広まった都市伝説的な設定と比べると、公式発言はむしろ慎重で、細部をにおわせる程度に留められている印象が強い。だからこそ、公式の一言一言を紡ぎ合わせていく楽しさがある。
結論めいた言い方をすれば、ミハルの“完全な裏話集”が公式にまとめられているわけではないが、複数の公式媒体に散らばる断片から十分に裏話と呼べる情報を拾い上げられる。自分はそうした断片を集めて、キャラクター像の輪郭を少しずつ補完する作業が好きで、結果として作品を見る目が深まったと感じている。