この作品は、童話の世界観を現代風にアレンジしたオリジナルストーリー。ある雨の日、本が大好きな高校生が不思議な絵本を手に取り、そこに描かれた森の中へ吸い込まれてしまいます。目覚めると、そこはおとぎ話のキャラクターたちが実在する魔法の国でした。
彼女は「物語の守り人」として迎えられ、崩れかけたおとぎ話の世界を修復する旅に出ます。各エピソードでは、有名な童話が独自解釈で再構成されており、例えば『シンデレラ』の
継母には意外な過去があったり、『眠れる森の美女』の呪いの真相が明かされたり。
特に秀逸なのは、現実世界の問題をファンタジー世界に投影した描写です。孤独やいじめといったテーマが、魔法の国の物語として昇華されていく過程は胸を打ちます。絵本のような優しいタッチで描かれながら、深いメッセージ性を感じさせる作品です。