中指を立てるジェスチャーは、古代ギリシャやローマ時代にまで遡る歴史を持つそうだ。当時は『digitus impudicus(恥知らずの指)』と呼ばれ、性的な侮辱や軽蔑の意味で使われていたらしい。中世ヨーロッパでは弓を引くために最も重要な指を切り落とされた兵士への嘲笑として転用され、その残酷な背景が現代の侮蔑表現へと繋がったという説もある。
この仕草がポピュラーカルチャーに浸透したのは20世紀以降で、特にハリウッド映画やロックミュージシャンたちによって反権威のシンボルとして広められた経緯がある。『スパルタカス』や『イージー・ライダー』といった作品で俳優が実際に使用したシーンが話題を呼び、現在ではスポーツの試合中や政治的な抗議活動でも見かける国際的なボディランゲージとなっている。
ネット上では『Urban Dictionary』や『Wikipedia』の関連項目が基本的な解説を提供しているが、文化人類学的な考察を深めたいなら『The Atlantic』の記事『A Cultural History of the Middle Finger』が興味深い。言語学者ジェシー・シードラーの研究によれば、このジェスチャーは時代と共にニュアンスが変化し、最近ではユーモアを交えた仲間内のジョークとして使われるケースも増えているという。
アニメの世界ではキャラクターの個性や感情を強調するために様々なジェスチャーが用いられますが、中指を立てる仕草は特に強い怒りや挑発を表現する際に使われることがあります。こうした描写が印象的な作品として『ピンポン THE ANIMATION』が挙げられます。湯浅政明監督の独特なタッチで描かれたこの作品では、主人公の一人・ペコが感情の高ぶりを表現する際にこのジェスチャーを使うシーンがあります。
『ピンポン』以外にも、『デスノート』の夜神月が相手を挑発する場面で同様の仕草を見せることがありました。ただし、日本のアニメではこの表現が控えめに扱われる傾向があるため、頻繁に登場するわけではありません。海外アニメーションでは『サウスパーク』のように過激な表現を多用する作品もありますが、日本製アニメではあくまでキャラクターの感情を強調するための手段として限定的に使われています。