井上七樹の作品群はどの1つを取っても個性が光るけど、特に『バガボンド』の圧倒的な画力と宮本武蔵の成長描写は別格だと思う。水墨画のようなタッチで描かれる戦いのシーンは、他の漫画では味わえない緊張感がある。
『スラムダンク』のアニメ再構成版『THE FIRST SLAM DUNK』では、山王戦が全編IMAXで見られるという体験も貴重。彼の作品は時間をかけて熟成されるタイプで、10年経っても色あせない深みがある。最後に読んだ『リアル』の車椅子バスケ描写には、スポーツ漫画の枠を超えた人間ドラマが詰まっている。