現場の空気を一変させるには評価の仕組みを根本から見直す必要があると信じている。まずは「失敗した人を罰する」評価軸を取り除き、学習や挑戦を正当に評価する行動指標を組み込むべきだと考える。具体的には、成果だけでなく、リスクを取って小さな実験を行ったか、意見の対立を建設的に促したかを評価項目に加える。360度フィードバックや匿名の意見提出チャネルを常設し、上司だけでなく横の目線でも評価される仕組みが重要だ。
さらに、報酬と昇進の基準を明確に分離することが肝心だ。昇進は長期的な影響力やコーチング能力、組織に変化をもたらす度合いを重視し、短期ボーナスは目標達成に紐づける。評価の透明性を高めるキャリブレーション会議を定期開催し、評価者間のバイアスを減らす。文化としての「
ことなかれ主義」を壊すには、リーダー層が失敗をポジティブに語るロールモデルを示す必要がある。
最後に、評価制度の導入後は定量的なモニタリングを続ける。離職理由の変化、アイデア提出数、論争を経たプロジェクトの成功率などをKPIとして追い、制度が本当に挑戦を促しているかを検証する。こうした実践で少しずつ空気を変えられると信じているし、組織は確実に活性化するはずだ。