細部に気を配ると、
木刀の寿命は驚くほど伸びる。最初にやるべきは入念な点検で、ヒビ・欠け・突起がないかを全周で確認する。特に柄元や先端の端面は負荷がかかりやすいから、指で触ってバリや段差があればすぐに把握するようにしている。
次に表面の汚れを乾いた柔らかい布で拭き取り、汗や塩分が残っている場合はごくわずかな水分で湿らせた布で軽く拭いてすぐに乾拭きする。濡らしすぎると木が反るので要注意だ。サンドペーパーは240〜400番で目立つ傷を整え、最後は600番程度で軽く仕上げると触り心地がよくなる。
仕上げには天然系のオイル(例えば亜麻仁油や虎斑油など)を薄く塗り、布で余分を拭き取ってから風通しの良い場所で完全に乾燥させる。可燃性のある布は広げて乾かすか水で湿らせるなどして処理すること。保管は直射日光や極端な湿度変化を避け、棚やラックで平置きか掛けておくのが安全だ。余談だが、時々『七人の侍』の武士たちを思い出して、道具への敬意を新たにしている。