登場人物の性格描写に『得てして』を使うと効果的ですよ。特に理知的なキャラクターや皮肉屋が物事を分析する時に、この言葉が生きてきます。
ミステリー小説で探偵が『犯人は得てして最も意外な人物に…』と推理するシーンなんか、ゾクゾクしますよね。
軽妙な会話文には向きませんが、重厚なドラマやシリアスな展開で深みを加える隠し味のような存在。『進撃の巨人』の
エルヴィン団長が作戦会議で『人類は得てして壁に囲まれたがる』と発言したら、それだけで戦略家らしい雰囲気が出ます。言葉選びの妙でキャラクターの知性を際立たせる手法と言えるでしょう。