日本語には独特のニュアンスを持つ表現が多く、『
得てして』もその一つだ。この言葉は『往々にして』と似た意味を持つが、やや批判的な含みがある点が特徴だ。
ビジネスシーンで使う場合、例えば『この種のプロジェクトは得てして予算超過になりがちです』と言えば、過去の経験からくる現実的な懸念を伝えられる。しかし、取引先や上司に対して使うと、『あなたたちも例外ではない』と暗に批判しているように受け取られるリスクがある。
特にクライアントとの会話では、『よくある傾向として』とか『多くの場合』といった中立表現に置き換えると角が立たない。自分たちのチーム内で課題を話し合う際には、率直な意見として使える便利な表現だが、使い所を見極めるのが肝心だ。