育児生活の中で、
年子を育てると睡眠の切れ目がほとんど無くなってしまう現実にぶつかる。僕の場合、二人の授乳時間が重なると心身ともに持たないと感じたことが何度もあった。だからまず最初にやったのは“睡眠の優先順位を見直す”ことだった。皿洗いや掃除の完璧さを諦め、短時間で済む家事をまとめて週に数回やることで、空いた時間を仮眠に回すようにした。短い仮眠でも回復感が全然違うと知ってからは、目の前の小さな休みを無駄にしないよう心がけている。
二つ目はタスクの分割と交代制だ。分娩後すぐに全部を抱え込まないため、家族や信頼できる人と具体的な交代表を作った。例えば夜中の最初の授乳は私、次はパートナーというようにローテーションを決めて、誰がいつ起きるかを明確にした。体が休める時間が日単位で確保できると、精神的な余裕も生まれる。加えて、外からの助けを受け入れる勇気も必要だ。簡単な買い物や洗濯を頼めるだけで、まとまった休息が取れる瞬間が生まれる。
三つ目は睡眠の質を上げる工夫だ。授乳やオムツ替えの動線を短くする、夜間は光と音を抑えて刺激を最小限にする、授乳のタイミングを少しずらして二人の重なりを減らすなど、物理的な環境を整えた。ミルクを使える時間帯はボトルを活用して交代できるようにし、可能な範囲で“夢フィード”のような手法を取り入れたこともある。医師や保健師と相談して赤ちゃんのリズムを把握し、無理のない範囲で規則性を作ると意外と睡眠の塊が増えてくる。
最後に伝えたいのは、自分を責めないことだ。回復には時間がかかるし、完璧な日常は戻らないかもしれない。だからこそ小さな勝利を認める癖をつけた。30分の昼寝ができたらそれを“成功”として扱い、翌日の予定を少し軽くする。そうやって一歩ずつ体力を取り戻していくうちに、少しずつ日常が楽になっていった。