まずは
彩子の資料集めから取りかかるのが確実だ。顔の表情や服の細部、色味、素材感を複数の角度で集めて、カラーチャートや拡大写真を作るところから始める。私はいつもスマホ画像だけで済ませず、スクリーンショット、ファンアート、公式設定画を比較して“再現で譲れないポイント”を三つ決める。これで作業中にブレにくくなる。
型紙作りは既成パターンの流用か、原寸トレースの二択だ。私はまず簡単なトワル(仮縫い)を作って、動きやすさをチェックする。布はストレッチ性やツヤを意識して選ぶと仕上がりが元絵に近くなる。芯材や接着芯でラインを出す箇所は事前に洗濯や摩耗も想定して強度を取る。
小物や装飾は作業序盤に同時並行で進めると効率が良い。ウィッグはカット前に襟や小物とのバランスを試して、熱で整形する際は低温で数回に分ける。完成後は着用テストでポージングと動線を確認して、撮影用に少しだけ“動きやすさ重視”に手直しすることが多い。こうして何度か直しを入れると、見栄えと実用性の両方を満たした衣装になると実感している。