兄と妹を偏愛する両親は、新年で僕を失った僕、河内純一(かわうち じゅんいち)は三人兄弟の次男だ。家の中では、誰からも気にかけてもらえない「透明人間」のような存在だった。
パパとママは、兄と妹の誕生日を毎年丁寧にカレンダーに書き込んでいる。でも、僕の誕生日はいつも忘れられてしまう。
兄と妹はいつも、新しいおしゃれな服を買ってもらえる。僕の分の服が買い忘れられることは、よくあることだった。
正月の時期になると、兄と妹はお年玉をもらえるけど、僕は一度ももらったことがなかった。
パパの車が高速道路を走って、家族全員でおばあちゃんの家に帰省する日もそうだった。
外は氷点下で凍えるような寒さだった。そんな中、パパとママは僕をサービスエリアに残したまま出発してしまった。