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『数学の森』シリーズを5年ほど使い続けているが、桐原の問題集は解説のわかりやすさで群を抜いている。公式の暗記ではなく思考過程を重視しており、同じテーマでも複数の解法を示すことで柔軟な発想を養える。例えば確立の問題では、樹形図と計算式の両方で解説があり、自分に合った方法を選べるのが良い。ただし、レイアウトが詰め込み気味なため、書き込みながら進めたい人には向かないかも。
姉妹書の『数学演習』と比べると、こちらは基礎固めに特化している印象。特に図形の証明問題では、ステップごとに根拠となる定理を明示してくれるので、独学でも論理の飛躍を感じにくい。解答用紙がダウンロードできるサービスもあり、繰り返し練習するのに便利。ただし、大学受験の最難関レベルを目指すなら、これ一冊ではカバーしきれない部分もある。
教育現場でよく推薦される理由がわかる。各章の冒頭に要点がコンパクトにまとまっており、問題を解く前に必要な知識を確認できるシステムが秀逸だ。
確率の単元では、具体例として『モンティ・ホール問題』を扱いながら、直感と数学的解答の差を明確に解説していた。こうした実例があると、抽象的な概念もぐっと身近に感じられる。ただし、チャート式のようなカラフルな構成ではないので、ビジュアルで覚えるタイプの人には物足りないかもしれない。
桐原書店の数学問題集は、特に基礎から応用まで段階的に学びたい人にぴったりだと思う。
解説が丁寧で、問題の解法を単に示すだけでなく、なぜそのアプローチを取るべきなのかという背景まで説明されている。例えば、二次関数の最大・最小問題では、グラフの概念と数式の関係が視覚的に理解できるよう工夫されていて、数学が苦手な友人が『初めて納得できた』と感激していた。
ただ、発展問題の解説はやや簡素な印象を受ける場合もあり、それ以上の深掘りには別の参考書が必要になるかもしれない。全体的には、学校の授業と並行して使うのに最適なバランスだ。
解説の
親切さは版を重ねるごとに向上しているようだ。最新版ではQRコードで動画解説が見られるようになり、静止画では伝わりにくいグラフの動きや立体の切断面も理解しやすくなった。複素数平面の単元で躓いていたが、動画で回転移動のイメージが掴めてからは急に理解が進んだ。紙面とデジタルのハイブリッド学習が功を奏している例だろう。