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『小林さんちのメイドラゴン』のトール役を演じた桑原由気さんの棒読み演技は非常にユニークでした。ドラゴンが人間社会に適応しようとする不器用さを、あえて感情を抑えた話し方で表現していた点が秀逸です。
特に面白かったのは、トールが人間の慣習を理解しようとする場面での棒読みセリフ。ドラゴンとしての本来の性格と、人間らしく振る舞おうとするギャップを、声のトーンだけで見事に表現していました。あの微妙に不自然な抑揚が、異世界から来た存在らしさをより引き立たせていたと思います。
棒読み演技の名手として外せないのは『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』で本間芽衣子(めんま)を演じた茅野愛衣さんでしょう。あの淡々とした、しかし心に染み入るような語り口は、まるで幽霊のようなめんまの存在感をより際立たせていました。
特に印象的だったのは、『見つけてもらえたよ』という台詞の淡々とした言い回し。悲しみや喜びを大げさに表現せず、かすかなニュアンスの変化だけで感情を伝える技術はさすがでした。近年の声優は感情表現が豊かな人が多い中で、あえて抑制した演技でこれだけのインパクトを残せるのは稀有な才能だと思います。
棒読みの演技といえば、まず思い浮かぶのは『涼宮ハルヒの憂鬱』の平野綾さん演じる長門有希です。あの無感情ながらもどこか不思議な魅力を放つ演技は、キャラクターの設定と見事にマッチしていました。
特に文化祭での劇中劇『射手座の日』での棒読みセリフは、むしろその機械的な話し方こそが長門有希の本質を表現していたように思えます。あの独特なリズムと無機質なトーンは、他の声優ではなかなか真似できないものでした。
近年では『轉生したらスライムだった件』のリムルの声を担当した岡咲美保さんも、初期の頃は棒読み気味の演技が話題になりました。しかしそれが逆にスライムという異質な存在感を引き立て、作品の魅力の一つになっていたのが印象的です。