学術的に見ると、批評家はまずジェンダー表象の枠組みで検討を進めることが多い。僕は過去に'バトル・ロワイアル'の女性同士の争いを分析した評論に触れたことがあり、その際に注目されたのは“対立が物語上どのように機能しているか”という点だった。
多くの批評は、こうした描写が女性を単に対立させることでドラマを生み出し、結果として女性同士の連帯や協力の余地を奪っていないかを問題視する。さらにマーケティングや視聴者の期待が性的な消費を促進していれば、批判はより強まる。
一方で、状況や動機付けがしっかり描かれている場合、いわゆる“
キャットファイト”も権力闘争や生存戦略として肯定的に解釈されることがある。だから評価は単純ではなく、多層的な読み取りが必要だと考えている。