桜の季節にぴったりの詩といえば、エズラ・パウンドの 'In a Station of the Metro' が浮かびます。
'The apparition of these faces in the crowd;
Petals on a wet, black bough.'
たった2行のこの詩は、地下鉄駅で見かけた人々の顔を桜の花びらに喩えています。湿った枝にふわりと止まる花びらの儚さと、都市の雑踏の中での一瞬の出会いが重なる様子は、日本の桜の美学と通じるものがありますね。パウンドが日本美術に影響を受けたことがよくわかる作品です。
この詩を読むと、混雑した駅で誰かと目が合ったときのあの瞬間が、なぜか懐かしい春の記憶と結びつくような感覚を覚えます。