愛のカケラの中で君を探す
私の父の葬式で、夫は霊安室で私の従妹の脚を掴み、熱を孕んだ吐息が、喉の奥から漏れ出していた。
従妹は妖艶に夫に絡みつく。
「私の初めてはどうだった?気持ちよかった?」
夫は従妹を強く抱きしめ、満足げに頷いた。
「ああ、最高だったよ」
従妹は甘えた声で囁く。
「じゃあ、いつ私と結婚してくれるの?」
夫は真顔で答えた。
「金ならいくらでもやる。だが、正妻はあくまで眞子だ。一緒に立ち上げた会社が上場するんだ」
私はこの映像を、会社上場の日に、超大型スクリーンで流した。
その後、私は株を売り払い、スーツケースを引いて世界一周の旅に出た。
元夫は泣き腫らした目で、私の足にすがりついて戻ってくれと懇願したが──