大晦日、怖い義姉がやって来た
津川海人と結婚する前から、彼には「手強い義姉」がいると聞かされていた。
彼は何度も私に、「義姉とは絶対に衝突しないように」と念を押してきた。
そして、結婚後初めての年越し。
夫の実家で過ごすことになったその日は、私は朝から晩までキッチンに立ち、10人以上の家族のために大晦日のごちそうを作らされた。
その間、義家族はリビングで私が切った果物をつまみながら、楽しそうに談笑していた。
料理がようやくテーブルに並んだ頃、海人の兄夫婦はのんびりと遅れてやってきた。
私も席について食べようとした時、ふと自分の席がどこにもないことに気づいた。
その時、義姉が冷笑しながら皮肉たっぷりに口を開いた。
「噂には聞いてたわ。義妹は賢くて、孝行で、付き合いやすい人なんですってね。
でも、この料理……どうなのかしらね」
その一言に、怒りが沸騰し、思わず言い返そうとした。
しかし、義姉は私を一瞥もせず、義母に向き直って言った。
「やっぱり、これからは母さんが料理を作るべきよ。母さんの料理が一番おいしいんだから」