記憶を失くした私と、後悔に溺れる幼馴染
白さん幼なじみひいき/自己中しっかり者ドロドロ展開切ない恋妻を取り戻す修羅場
何よりも私を愛してくれていた青葉家の三兄弟は、私が悪性の脳腫瘍に蝕まれているというのに、どこにも姿を見せなかった。
手術をすれば記憶を失う恐れがある。彼らのことを忘れたくない一心で、私は助けを求めようと電話をかけた。
やっと繋がったと思ったら、返ってきたのは容赦のない罵声だ。
「宇島杏理(うじま あんり)、今日は雪の誕生日なんだ。邪魔しないでくれないか?」
私は痛みで意識を失い、病院で目を覚ましたとき、スマホに一の橋雪(いちのはし ゆき)からのメッセージが届いていた。
【杏理さん、青葉三兄弟が私に三つもお守りをくれたの。すごく効くんだって】
添えられた写真に写っているのは、かつて私が雨に濡れながら何日もかけてお遍路し、三兄弟のためにひたすら祈って授かった、お守りだった。
ついにすべてを諦めた。彼らのことを忘れるため、一人で海外に渡り手術を受ける決心をしたのだ。
それから時が経ち、ある日のこと。家の前で狂ったように許しを乞い、跪く三人の見知らぬ男たちの姿が、そこにはあった。