Chapter: ヘンなお義兄さま3 星多が今夜は一番に入浴した。 お義兄さんの入浴中に、名美は真琴に話した。「ごめん…あたし、今日気分じゃないの。いつも…3人で楽しんでいるけれど、真琴。それと...すごく、言いにくいんだけど……」 名美は今にも泣きだしそうだ。 「気分が乗らないのを無理することはないさ。名美、言いにくい事って…どうしたんだい?」優しく髪の毛を撫でそっと抱きしめる真琴。「あたしを今日、和室で眠らせてください」 真琴の顔が一瞬引きつった。 3Pを楽しんでも、毎夜、名美が眠りに就くのは2階にある夫婦のベッドだった、ずっと。「どうして?」 真琴が訊く。 「お義兄さんとお話ししたいんです」 「じゃあ、話が終われば2階に上がって来ればいいさ。な、そうだろ? 名美? 名美っ...」 名美は何にも云えずに泣きだしてしまった。 真琴は「分かったよ、名美。わかった…」と名美をまた優しく抱きしめ包んだ。「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」謝り続ける名美。「名美、謝らないで。謝られると辛いよ…」と真琴が言った。「はい」 そうこうしていると星多が風呂から上がって来た。「名美、今日は疲れただろ、先に入りなよ」真琴がそう促した。「うん。ありがと」 名美はバスタブに浸かり、何故だか泣けてきた。(あたしなにやってるんだろう。より子さんって誰? あたしはお義兄さんが好き。誰にもワタサナイわ! …にしても、子どもさんまで居たなんて。いったい、どうなっているのかしら、より子さんという人に今でも会うのかしら?) 頭の中がグルグルする。綺麗に躰を洗った。良い匂いをさせるために、ステキな香りのシャンプーで念入りに髪も洗った。 あたしは…お義兄さんに愛されたい! あたしだけのものよ?! はやくこの火照った躰を抱いてほしいわ。 「お先だったわ。真琴」「うん。じゃ、俺風呂入ってくる」「はい」 名美はすぐに髪の毛を乾かしセットし、甘い香りのするボディローションを躰中に塗った。 そして真琴が浴室に行ったタイミングで、和室の引き戸越し、中に居るお義兄さんに声を掛けた。「お義兄さん...名美です。おしゃべりしたいわ」まるで待ち構えていたかのように、すぐに引き戸があいた。「名美ちゃん…オレの愛しい名美ちゃん…気にしているんだろ?」 「え...」「お袋が口にした事さ」「あ...ハイ、そうです…より子さんっ
Huling Na-update: 2025-10-29
Chapter: ヘンなお義兄さま2 そんなことがあった翌朝も…なにも知らない真琴はいつも通り。 「名美、アニキ、いってきまーす!」出勤して行った。 真琴が仕事へ行ってくれた… すでに名美のアソコはよだれを垂らしてしまっている。ああ…お義兄さん...あたしが他の男とセックスするのにくぎ付けになりながら覗き見し、シコシコして発射したわ。なんてエロチックなの! 素晴らしいわ...お義兄さん... 玄関のつっかけを揃えるために名美がしゃがむとクチュッ...ピチャッ…と音が鳴った。もちろん名美のこの上なく欲しがり屋さんな花園からだ。 星多は聴き逃さなかったし、もうたまらないガマンできないと言わんばかりに、凄い勢いで名美の手を引っ張り和室へ連れて行った。「名美ちゃん?」「ハイ...お義兄さん」「ゆうべ…なにかあったよね? …ンン?…」少しサディスティックに名美を問い詰める星多。 ちょっぴり乱暴に「ネェ…言ってごらん? オレの自慰行為見ちゃったの? ...ン? はっきりとお口に出して言ってごらん? オレはどうしてたの...ほら、コトバにしなさい」「...ハイ...」恥ずかしさから顔をそむけながら返事をする名美。 「お…いにぃ さんはぁ...」星多が名美のバストを揉みしだき始めた。ギュ! ギュッ! ブルン! グイ! ブルンぶるん! ギュィッ!! …ああ! カンじちゃう! すごぉい! イイ! 「ア! ァッ!」「ん~、ア! じゃわかんないよぉ、なみちゃん? オレ、なにをどうしてた? ... 」「お義兄さんは…肉棒を、しごいていらしたわ...」泣きたい、逃げ出したいぐらい恥ずかしい。だのにあたし...興奮しておもらししちゃってる...「フフフ…そうだね、えらいよ、名美ちゃん。オレがホシイ?」「ハイッ! ハイ!」…アハァ~ン、ほ...ほし...ぃ」 星多にバックハグされたままGカップのバストをゆらされ続けている名美。 星多は名美の肩を少し乱暴に掴み、躰を向かい合わせにさせた。「名美ちゃん、ああ! オレの名美ちゃん、じゃあ抱いてあげるよ!! ステキだよ、名美ちゃん!」「ァアンおにぃさ...」グチュ! 名美は唇を星多の唾液まみれの口でビチャッ! グチュ、ズルズルズルッ…塞がれた。負けないように唾液を出し、星多の舌を逃さずンチュ! ンチュ! と口ぜんぶで愛する名美。時々くちびるが離れ見つめ合う。つばが糸を引く…そ
Huling Na-update: 2025-10-29
Chapter: ヘンなお義兄さま134才の|名美《なみ》と夫である|真殊《まこと》32才は新婚ほやほや。名美は真琴の実家|戸渡《とわたり》家とも旨くやっている。 新婚さんは毎夜素敵に愛し合っている。 「ここかい...? 名美」「アハァ~ン...真琴、そこよ! そこ、つ…ぃ...て! ...ア! ア! ァアッ!」激しくダンスするみたいに腰を振る真琴。「ぁああ! な…み、のはさ、上が...ザラザラして、凄いンだよねっ! ハーハーハー」荒い息で名美を丸ごと、カンじる真琴。「うふふ、あたしの躰は真琴をキモチよくするために生まれてきたのよ! ゥゥ~ン、イイ! ィィ! ステキよ。真琴ぉ、突いて! ついて! あたしを滅茶苦茶にして! お願いッ」ふたりの結合部分からは名美の垂らした液のせいでグチュグチュ大きな音が奏でられている。パンパンパンッ!「ああぁ、たまんないよっ! 名美!」ますます名美の肉体の虜となり取り憑かれたように腰を振りまくる真琴。「アン! ァンッ! ア! ア! ア! ンン...」ふたりはまるで空中遊泳してるみたい。パンパンッパン!! パンッパンパンパンパン…!「あぁ! もう出ちゃうよ、名美、もう1回してあげるからね、ゆるしてね!!」ドクドクドクッ...名美の体の中にほとばしる真琴。 毎日二人は、狂ったように戯れ合う夜がやってくるのを楽しみにしている。 真琴は通販サイトのテレフォンオペレーターをしていて、気苦労が絶えない。そんな真琴を名美はいつもねぎらい、もちろんハートたっぷりの愛妻弁当を真琴に持たせもしている。そんな姉さん女房の名美。真琴の会社では、女性従業員が「今日も素敵なお弁当ですね!」と言ったり、男性の同僚は「羨ましいな~」なんて言う。 「ほんと、俺にはもったいないぐらいの優しい妻なんですよ」真琴が返す。 そんな穏やかな結婚生活の中に、突如として真琴に実家からニュースが飛び込んだ。真琴の4つ上の兄がフランスから帰って来たと言う。実家の両親と元々仲の悪い|星多《せいた》。フラッと居なくなっては時々真琴に電話を掛けてくる。去年など「今、メキシコなんだよ」と言われた真琴は、(え、こないだまで四国に居るって言ってたよね?)とビックリしたのだった。風来坊とは星多のためにあるような呼称だ。 そして、そのフランス帰りの星多が今日、真琴に電話してきた。「一文無しなんだよ、真琴。少しの間居させてくんない?
Huling Na-update: 2025-10-29
Chapter: 花の匂い 2 それにしてもなんだかな~...猫の好物「さかな」が「最愛の女の名前」だなんて。 で、オレ、今は猫。笑えねーよ。「お仕事にいってくるね、スーちゃん!」 …ちょっぴり淋しいスーちゃん猫なおちゃん。 「みゃぅーん」それこそ猫なで声でしっぽをぴんと立て、玄関に立っている坂名の足元にまとわりつく。「早く帰ってくるよ、スーちゃん」坂名はスーちゃん抱き上げほおずり。 (ぅぅう~たまらん! 坂名! 今すぐベッドで愛し合いたいよぉ) オス猫の切ない嘆きだ。そっと坂名はスーちゃんを玄関マットの上に下ろした。 「いってきまーす」 笑顔の残像が猫なおにいつまでも漂う。 (坂名、がんばり屋だから無理してないかな。だいじょうぶかな… それと...お・と・こ! 新しい彼氏なんかできちゃった日にゃあオラぁは泣くぜ?!! ライオンみたくな!) 猫なおの一日は、坂名が用意してくれているネコ用ベッドやソファの上でだいたい眠っているが、気が向けば時には部屋の中をうろつき、うっかりものの坂名が美味しいものを仕舞い忘れていないか探してみたり、坂名のベッドへ行き枕の匂いを嗅ぎうっとりする。オレは変態か! と自身にツッコミを入れつつも辞められない癖だ。 あとは爪とぎ器で爪を研いだり、う~んと思いきり伸びをしたり、なおちゃんはネコちゃんとしてそれなりに日常を満喫している。なんといったって坂名とずっと一緒だしな。 ただ…オレ、また坂名を置いて逝ってしまうのか…順番で言えばそうだろ。 可哀想だな、オレの坂名...なんとかしてやりたい。「ただいまー、スーちゃん!」坂名が帰ってまっ先にすることは、ドアを開けるや否や玄関に走り寄ってくるスーちゃんを抱きしめて、鼻先にちゅっとキスすることだ。 赤面するスーちゃん、でも三毛の毛に覆われているので坂名には見て取れないだろう。 坂名ぁ、オレこんなに悦んでるぜ! わかってんのー!? 猫なおはのどをゴロゴロと鳴らす。 そうして坂名が手洗いうがいをしようと、スーちゃんをおろそうとしても、爪を洋服にひっかけてまでスーちゃんは離れようとしない。 「にゃぁ!」拒否の声だ。 「あらあら、スーちゃん? うちへやって来てからずいぶんおしゃべりになったよねっ。かわいいスーちゃん」 ニコニコ顔にほだされて、しかたなく猫なおは爪を引っ込める。ス
Huling Na-update: 2025-10-30
Chapter: 花の匂い 1「スキよ…なおちゃん…なおちゃん…ン…」 |坂名《さかな》と|直《なお》はいつものようにベッドでもつれ合っている。 「気持ち イイの…?」直が顔を上げいたずらに囁く。 「うん、うん、もっと舐めて!」 万華鏡のように互いにポーズを替え、夜の海に次々と堕ちてくる星々のような感動がふたりを襲う。 「ああ! 愛してるよ、坂名!!」 そんな風にいつもいっしょに湖の深い処の石になる。その石は何億年も前からそこに在り、淘汰されながらも輝くものだけを吸収してきた宝石だ。 「コーヒー…淹れるね」 恥じらう表情で髪をかき上げつつ、坂名はベビードールにショールは羽織りキッチンへ向かった。 「うん」 情熱的に坂名を愛する直は普段もの静かな男だ。 たばこのいい匂いがする…坂名は直の副流煙に酔いしれている… 「だ~め! せっかくやめたんでしょタバコ」「キャハ♪」煙にではない、直を味わっているのだ。 二人は約2年交際している。 3カ月後には結婚を控えているのだ。今は互いの家を行ったり来たりしデートを重ねている。坂名はドライブを好むので、直はよく緑の多い森や、キラキラとした海に坂名を連れ出してやる。 これからず~っとなおちゃんが帰って来てくれるだなんて夢みたい!! あたし一生分のラッキーを使い果たしちゃった感が否めないわ…ってなに言ってんのあたし! ここからがスタートじゃんね~Happyのっ。 なおちゃんが帰ってゆく時はいつもたまらなく淋しい。ヤダヤダってだだっ子してしまう。 「坂名ぁ? ...猛烈に今の企画立て込んでるからさ…今度のデートの時は泊まれると思うよ」 まっすぐな坂名の黒髪を愛おしそうになでる直…。 「はい」坂名はなおちゃんの愛情深さには敵わない。 編集社で中堅どころの36才の直、働き盛りだ。 一方の坂名31才はベテランのラウンジレディとして生計を立てている。 実は、直は直の上司と連れ立った先の、坂名の勤めるラウンジ「|叶ゑ《かなえ》」で坂名と出逢った。 互いに一目惚れだった。 ちなみにすでに寿退店は決まっている。ママも非常に喜んでくれている。 初めて直のテーブルに着いた際、坂名はある事が気になった。 「あ…あのぅ、|宮野《みやの》さん」宮野は直の苗字だ。 「ン? なんですか|実玲《みれい》さん…」実玲は坂名
Huling Na-update: 2025-10-30
Chapter: Shhhhh Castle 3「麦茶、美味し~」ひとりごとのように小夜湖。月乎はニッコリして 「うん」そして、話し始めた… 「オレね、サークルやめようと思うんだ」…。 …小夜湖は自分が悪いわけじゃないと判っているのに、なんだか自分のせいで月乎の趣味を奪ってしまった、そんな罪悪感に駆られた。 「月乎…あたし…」「ン? 小夜湖?」「ごめんね、なんだか…」 月乎は小夜湖を筋肉のあるしなやかな左腕で引き寄せた。 「小夜湖が謝ることじゃないよ。オレ自身が、あんまり…。興味を失くしただけ。あそこに費やす時間があるならオレ…小夜湖と居たいよ。」 花が咲くような表情を隠しきれずに「ほんとう?!」と小夜湖。 「うん」 「月乎…死ぬほどスキ」しどけなく小夜湖の口から漏れ出た。 それを聴いて月乎は「小夜湖、マジで死んだりしたら許さないからな!」と強い瞳で見つめ、唇を奪った。 ふたりの唾液の交歓は糸を引きながら続く。 「ベッド…いき…たぃ」小夜湖がやっと伝えた。 「うん」 ふたりは手を繋ぎベッドのそばに立った。向かい合い脱がせ合う。 もうガマンできないとばかりに月乎が紅い小夜湖の上衣をはだけさせた。そして白く華奢な肩をむき出しにさせ、ベビードールの前リボンをほどいた。 ほどく前から小夜湖の敏感な乳首が立っているのはバレてしまっていた。 そして小夜湖の肩ひもをずらす月乎。するりと小夜湖を包んでいたベビードールがおち、食べごろの果物のような躰が露わになった。 小夜湖はその肌を隠すかのように一度月乎の胸にもたれた。そして直後、月乎のTシャツを脱がせた。裏っ返しのままそこに落ちた。 下を見ると、月乎の興奮状態は一目で見て取れた。 「こんなになってる...月乎、あたしの躰、好き?」小悪魔っぽく云ってみた。 「ああ! たまらないよ、小夜湖。意地悪云っちゃだめだよ? 知ってるくせに…」 すると月乎は待ちきれず短パンと濡れてシミの付いたパンツを自ら脱いだ。 小夜湖は月乎にちょっぴり激しくベッドに押し倒された。そこから浴びせられるキスの嵐。唇からつま先まで吸われたり舐められる。耳に口づけられたときは、月乎の荒く熱い吐息が大きく聴こえた。蕩ける! だめ!! 「あぁん、月乎、月乎、あたし恥ずかしいわ、ヘンになっちゃいそう!」 月乎の男の部分はさらに先がぬるぬるしていて
Huling Na-update: 2025-10-29
Chapter: Shhhhh Castle 2 小夜湖と月乎は一緒にスーパーに入った。 月乎は焼き肉弁当におにぎり2つと野菜サラダも買った、500mlのノンアル2缶と… 「飲みたいでしょ?」とちょっぴり子どもみたいな顔をしてノンアルを手にしたとき月乎は小夜湖に言った。 「もちろん」と小夜湖はウッキウキで答えた。 それにしてもやっぱり男の人って良く食べるのね~、と小夜湖は月乎のお食事の買いっぷりを見、少しその逞しさになんだか恥じらう心地がした。 ふたりで「なかなかの品ぞろえだよねこの店」だなんて他愛のない話をしつつスーパーを出た。 「あ、小夜湖のマンションって駐車場あんの?」「ううん、ないの。すぐそばにわりとお安いコインパーキングがあるよ」「あ、そうなんだ、じゃあ場所おしえて」「うん!」スマホで地図を見せる小夜湖。 それをみて月乎は「ああ、このスーパーから小夜湖の家ってほんと近かったんだ~」と微笑む。 「じゃあ…あたし自転車で帰るね! どっちが早いかな? 車の月乎に決まってるかキャハ♪」 「そうだね、信号に引っかからなければ早いだろ」と笑顔の月乎。 「じゃあ駐車場で待ってて。あたしマンション前に着いたらすぐ電話するよ!」 「オッケー」 風を切り夕方の道を自転車で帰る。月乎が待ってるだなんて。ドキドキが止まらない。帰途の途中の民家でおばあさんが水を撒いていた。ひんやりした風が素足に心地よい。 (なにかあったらどーしよ! なにかあってほしいな、子どもじゃないもん! …って焦りすぎねフフフ♪) 着いた~。自転車を止めすぐに月乎に電話。月乎はすぐに電話に出た …そういえば、とその時も思った。小夜湖はこれまで思わないでもなかった。 (あたしと月乎が一緒に過ごしてる時って、月乎の彼女さんから全く連絡がないな…? スマホの電源切ってんのかな? なんだろ...)ふとその時も思った。なんにしても小夜湖にとっては邪魔されたくないからそのうほうが良いの。 「やっぱオレが一番乗りだったな!」「うふふ! ほんとね、迎えに行くよ、月乎」「その必要なーし! オレはここ~!」 見ると駐車場の運転席から月乎が手を振っていた。 「あ、そか、パーキングからマンション見えるんだったね、あたしったら、なんだか落ち着きなくしちゃってるよ、楽しいのよ! 月乎♪」「ほんと? オレもだよ、じゃ降りるね。すぐ行く
Huling Na-update: 2025-10-29
Chapter: Shhhhh Castle 1 アイスクリームをつついている。|小夜湖《さよこ》の夏の指の温度が銀のスプーンに伝わって硝子のお皿の中で溶けてゆく。瞳を閉じてのどをバニラが通って行く感触を楽しむ。 (はやく…逢いたいわ、|月乎《つきや》) ...アイスと同じぐらいあなたがスキよ。いいえ、アイスクリームよりあなたのを飲みたい。 内気な小夜湖は恋心を月乎に伝えられていない。片想い中だ。 月乎には…彼女が居る。情熱的な小夜湖はその事にはこだわっていない。 ふりむいてほしい…泣く人が居るけど、あたし、えらばれるならついて行く。 インターネットのサークルで小夜湖と月乎は知り合った。音楽好きが集うSNSの集まりだ。月乎の恋人である女性はメンバーではないが、あるオフ会の時に月乎が連れて来た。 小夜湖も月乎も離婚歴があり、成人した子どもがいる。月乎の娘は近くに住んでいるが、小夜湖の息子は県外に住んでいてなかなか会えない。 42才の小夜湖は幼稚な性格のせいか若々しく見られる。一方月乎は49才。月乎も50才前にはとても見えぬ程瑞々しい魅力の持ち主だ。 月乎の彼女は45才だという。地味で冴えない感じだ。 (なんでこんな人が良いんだろ)と内心小夜湖は嫉妬以前に疑問を持ったが、性格美人かもな、などと考えている。 小夜湖と月乎は友だちとして仲が良い。人の中に居てうまく話せない小夜湖にさりげない気遣いをしてくれる月乎。 彼女とは遠距離恋愛らしい。だからこないだは特別にオフ会に連れてきたのかな…? 実は小夜湖と月乎は友として食事にも行く仲だ。住んでいる街もわりと近い。 LINE交換もしていれば、電話番号も互いに知っている。 けれど、月乎に想いを告げられない。小夜湖は先に述べたようこだわりがないので彼女に遠慮などはしていない。けれど…恥ずかしいのだ。 (なんでかな~…あたしって... すでにお友だちだからかしら? 月乎とさ)もうアイスはすっかり食べて、ベッドに寝そべっている小夜湖。 仰向けになりボーっと恋煩いにひたっている。 グループのみんなで撮った写真をベッドサイドに飾っている。その中のどこに月乎が居るかなんて、もうすっかり憶えている。うっとり見つめる小夜湖…ベランダでは風鈴が揺れている。 (お外は暑そう... でも...)でも あたしの躰だって、火照ってるよ。8月のせいじゃ
Huling Na-update: 2025-10-29
Chapter: パパきらい 2 毎週パパも子夜里も、夜になると何事もなかったかのように、ママを迎え入れる。 「おかえりなさ~い、ママ!」 「おばあちゃん、困ったものね、通うごとに物忘れが激しくなってるよ。心配よ。『役所の人に相談しましょうよ。ヘルパーさんに来てもらったら。』と言うと不機嫌になり、口も利かなくなるのよ...」 「そうなんだー。心配だね、おばちゃん…」と子夜里。 「ねぇパパ、ごめんなさい。次の週はさ、一泊しても良いですか?」 (嫌!!) と子夜里は恐怖を感じた。 パパは即答した。 「いいよ、もちろん。おばちゃんをほっておく訳には行かないからね!」 地獄だ…と怯える子夜里。 今日も朝から込み合う駅。 例のごとく、子夜里は痴漢に遭った。いつものようにお尻を撫で回し、今日はウエストの辺りも執拗に撫で回された。 そして2本指を挿し込んで来た。 (痛い!)声に出しそうになるのをグッとこらえる子夜里。 そしてなんと男は... 自分のモノを子夜里のスカートの中、お尻にくっつけて来た。 ヌルヌルに先が濡れている。 恐ろしくて、子夜里は固まっている。 しばらくするとB駅に着いた。 「B駅~ B駅~」いつも通り男は車内から消えたようだ。 子夜里は(殺されるかもしれない!!)とまで、カンじつつも脅えているのだ。 そんな異常者、何をするか分かったものではないんじゃないか、と... 警察なんかに言ったら、腹いせに殺されるかもしれない。 ママには恥ずかしくて言えない。 それと、ママに対しては...性的に父親を奪っているような罪悪感を抱いていて、痴漢の相談なんてとても出来ない。 パパに言える訳もない。 パパは思い込みが激しく「子夜里を淫乱女」と位置づけている。 「お前がされたがっているから、そんな目に遭うんだ」言いそうな事は目に見えている。 それと、痴漢にも嫉妬するだろう。外道な親だ。 「おはよう子夜里!」「おはよう、凪湖」ニコ! 凪湖は、酔っぱらったのちの出勤日、とても反省していた。 「ごめ~ん、子夜里。あたしさ、どうやって帰ったのか...ほとんど覚えてないんだよね…迷惑かけて…スマン!!」と平謝りであった。 そうして魔の週末がやって来た。 「パパ、子夜里、カレーを作っておいたからね。あと食料品も多めに買ってある
Huling Na-update: 2025-10-30
Chapter: パパきらい 1 あたしは|泉子夜里《いずみこより》、32才。 あたしには、誰にも言えない秘密がある。20年それを抱えて平気な顔で暮らしている…「あぁ、お父さんっ! ケ・イ・タ・イ、忘れてますよ~、ハイ!」 母、|泉毬亜《いずみまりあ》53才。 「あれっ、ポケットに入れたと思ったけど…ほんとだ、ママサンキュー! じゃ、いってきます! ママ。あ、子夜里、仕事気を付けて行っておいでよ!」 父、|泉十色《いずみとしき》50才。 「ハ~イ、パパ!」 「いってらっしゃ~い」ママとあたしは明るく声を揃え、会社へ向かうパパを送り出した。 「さて、っと、お洗濯!」ママは現在、働き者の専業主婦だ。あたしが子どもの頃よりも、今のほうがうんと輝いて見える。ママ、幸せそう。ママはシングルマザーであたしを生んだ。たぶん…仕事関係の人が、あたしの実父なのだろう。 そう、パパはママが再婚した義理の父なのだ。 「どう? お仕事。子夜里、百貨店の受付と聞くとさ、素敵なイメージがあるけど…無理難題言って来るお客様もいるんじゃないの? 特に電話対応とかね、大変そう~。ママなら絶対ムリだわ。」ママは華やかな笑顔とは裏腹に、実は内気な性格だ。若い頃はスーパーマーケットの正社員として勤め、品出しとかやってたみたい。「ううん、ママ、職場の女の子とも仲良いし、お仕事楽しいよ!」「そうなのね、それなら良かった。悩み事がある時はいつでも、パパやママに話すのよ!」「ハ~イ」 少々過保護かも。 あたしはもう32才だ。 でもママには、片親ゆえあたしにとても寂しい思いをさせたという、不憫だという愛ある罪悪感のようなものがあるのかもしれない…。 メイクも出来た。ママの美味しいハムエッグとトーストでおなかも満たされた! 「ママ、いってきま~す」 「いってらっしゃい、子夜里。今日帰りはいつも通り?」「あ、友達とごはんなの、言い忘れてた! よろしくね、ママ!」「オッケ~、楽しんできてね」「ハ~イ」 笑顔で百貨店へと電車出勤するため家を出た子夜里。 朝8時半…今朝も電車は満員だ。(座れっこないやぁ、今日も...) すると…まただ!! ギューギュー詰めの車内子夜里は、お尻を撫で回される。スカートの中にまでその手は入って来る。 (あたしが、あたしが性的に汚れているからいつも、こんな事をされる
Huling Na-update: 2025-10-30