花の匂い

花の匂い

last updateÚltima actualización : 2025-10-30
Por:  沙華やや子Actualizado ahora
Idioma: Japanese
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おきゃんで優しいLady坂名(さかな)とCOOLな直(なお)はアツアツ恋人同士♡ そのふたりに、運命的なアクシデントが起こり繰り広げられるミラクル!

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Capítulo 1

花の匂い 1

「スキよ…なおちゃん…なおちゃん…ン…」

 坂名さかななおはいつものようにベッドでもつれ合っている。

「気持ち イイの…?」直が顔を上げいたずらに囁く。

「うん、うん、もっと舐めて!」

 万華鏡のように互いにポーズを替え、夜の海に次々と堕ちてくる星々のような感動がふたりを襲う。

「ああ! 愛してるよ、坂名!!」

 そんな風にいつもいっしょに湖の深い処の石になる。その石は何億年も前からそこに在り、淘汰されながらも輝くものだけを吸収してきた宝石だ。

「コーヒー…淹れるね」

 恥じらう表情で髪をかき上げつつ、坂名はベビードールにショールは羽織りキッチンへ向かった。

「うん」

 情熱的に坂名を愛する直は普段もの静かな男だ。

たばこのいい匂いがする…坂名は直の副流煙に酔いしれている…

「だ~め! せっかくやめたんでしょタバコ」「キャハ♪」煙にではない、直を味わっているのだ。

 二人は約2年交際している。

 3カ月後には結婚を控えているのだ。今は互いの家を行ったり来たりしデートを重ねている。坂名はドライブを好むので、直はよく緑の多い森や、キラキラとした海に坂名を連れ出してやる。

 これからず~っとなおちゃんが帰って来てくれるだなんて夢みたい!! あたし一生分のラッキーを使い果たしちゃった感が否めないわ…ってなに言ってんのあたし! ここからがスタートじゃんね~Happyのっ。

 なおちゃんが帰ってゆく時はいつもたまらなく淋しい。ヤダヤダってだだっ子してしまう。

「坂名ぁ? ...猛烈に今の企画立て込んでるからさ…今度のデートの時は泊まれると思うよ」

まっすぐな坂名の黒髪を愛おしそうになでる直…。

「はい」坂名はなおちゃんの愛情深さには敵わない。

 編集社で中堅どころの36才の直、働き盛りだ。

 一方の坂名31才はベテランのラウンジレディとして生計を立てている。

 実は、直は直の上司と連れ立った先の、坂名の勤めるラウンジ「叶ゑかなえ」で坂名と出逢った。

 互いに一目惚れだった。

 ちなみにすでに寿退店は決まっている。ママも非常に喜んでくれている。

 初めて直のテーブルに着いた際、坂名はある事が気になった。

「あ…あのぅ、宮野みやのさん」宮野は直の苗字だ。

「ン? なんですか実玲みれいさん…」実玲は坂名の源氏名だ。

「白い…毛? 動物の毛が付いてらっしゃいますスーツに」

 実玲こと坂名は、発言した刹那、初めてのお客様に失礼なことを言ってしまった! と思った。

「あっ、申し訳ございません…わたしったら」「良いんですよ、ネコです!」

 なんとも親しみやすい笑顔で答えた直。

「今朝はやけにくっついてきてアイツ。ふふふ♪くいしんぼうな坊主なんです!」

 坂名は胸を撫で下ろし

「まあ! わたしも猫大好きです! 実家は猫屋敷でした」とニャンズの話でとっても和む初顔合わせだった。

同じテーブルに居る直と親しくしている男性上司である早川はやかわは嬉しそうに言った

「私は犬派だよ! 従順で可愛いからさ。ニャンコってツンとしてるじゃん?」…。

「そっこがいいんですよ――――!」「あっ」

 坂名と直は顔を見合わせ見つめ合った。同時に同じ言葉を発したのだった。

 テーブルではラウンジレディの実玲こと坂名、直、そして上司の早川で和気あいあいとした。

 見つめ合った時ふたりは、彗星のようなインスピレーションが坂名と直のハートをビュン! と駈けた気がした。

 早川はその日を境にラウンジ叶ゑに直を必ず連れてくるようになった。

 あるママに耳打ちする早川。

「ママ…実玲ちゃんって彼氏いるの?」

ママは何を突然とキョトンとしつつも早川に合わせ小声で

「…ン~たぶんいないわよ。聴いた事ないし、女の直感で分かっちゃう」

早川は少々興奮気味に「よし! それはよかった。どうだい、ママ? お似合いだと思わない…?」

 テーブルで水割りを飲みつつ談笑する坂名と直に視線を向ける早川。

「なるほど!」ママはくすっと笑い、「素敵なカップルになるかもしれないわね」だなんて言った。

 その1か月後には、なんと坂名のほうから直に猛アタックをし、直が同じ想いを胸に抱いていだいていることが判明。晴れて二人は恋人同士に。

 ふんふんふん~♪鼻歌交じりで直の大好物ハンバーグを山盛りに焼いて行く坂名。

 今夜はお泊まりしてくれるんだも~ん! 嬉しさが隠せない、思い出し笑いなんかしてみたり。坂名はいま絶好調のシェフだ。

 ジュージューおいしい匂いをキッチンにさせている。

 と携帯が鳴った。

「ン? なおちゃんかな~、また残業かしら??」

 坂名はサッと手を洗いタオルで拭きスマホを取った。相手は直ではなく早川さん。

「あ、こんばんは~早川さん! いつもなおちゃんがお世話に」さえぎるように早川さんが言った

「実玲、いや…坂名ちゃん! …直が死んだ」

「え…な、なに言ってるの? 早川さん、変なこと言わないで! なになんなの?!!」

「坂名ちゃん、落ち着くんだ。お願いだから…落ち着いて、くれ…」

電話の向こうの早川は嗚咽し声を絞り出している。

「君の家へ…向かおうとしていたんだろうっ。高速道路での...こ、高速、交通事故に巻き込まれたんだ、ああ! なんてことだ…!!」

 坂名は目の前が真っ白になった。しばらくしぼんやりと…もう、なおちゃんがいない、なおちゃんに逢えないそんなの、そんなの…どうすればいいの! あたし…

 …坂名は、直の体が燃えてなくなる最後の最後まで、そばに居た。坂名は項垂れうなだれ、とめどなく涙が溢れてもおとぎの国の悲しい姫のように声が出なかった。

 それから長いような、短いような歳月が過ぎた。

 1年半。直が居なくなってすぐに坂名はラウンジを辞め少しの間休職した。

 今は花屋に勤めている。大好きなお花。お花に包まれていると慰められる心地がするのだ。

 坂名は淋しくて、さみしくてたまらない気持ちを何とかしたかった。でもどうしようもない。坂名にとって直は永遠なのだ。永遠であり、現実なのだ。たとえ亡くなったとしても。

 もう誰も愛せない。

 フラワーショップの休日にインターネットをなんとなくみていた。

「保護ネコの里親募集!」と書かれている。

 子どものときのように、ネコが居たら幸せかもしれない。今のあたし、安らぐかもしれないな。

坂名はすぐに募集サイトに電話をした。

「はい『ワンだふるだニャン』です!」明るく穏やかな声の女性が出た。

ネットでみて名前を知ってはいたし気になってはいたけど…こうして直接声に出して聴かされると尚おもしろいな! ちょっぴり坂名は吹き出しそうになってしまった。

 来週のお店が休みの水曜日に、その施設に見学に行く運びとなった。

 それまでの1週間はふさぎ込んでいたこれまでとは少し違った、なんだか嬉しい。温かい心地がする。

 どんなネコちゃんが居るのかな~。

 そして当日、坂名は猫たちとコミュニケーションしやすいように動きやすい恰好でワンだふるだニャンへ出向いた。

「こんにちは、はじめまして!」笑顔で出迎えてくれたのは先週の電話の主であろう。

「スタッフの真中まなかです。ここは、猫だけじゃなく犬もいます。彼らが過ごしやすいように、もちろん住み分けさせ、1匹1匹の個性をだいじにするために、出来る限りの助成金を国から得て、人間のスタッフがたくさんおります」丁寧な説明を聴いた。

 人見知りが激しかったり、これまで虐められ人に不信感を持ってしまい攻撃的になる子はケージに入っていたりする。

(つらいんだよね、おまえたちだって…)心の中で坂名はつぶやいた。すると

 ケージの中の雑種らしき三毛柄のネコが突然「にゃー! にゃー!」と何かを欲するように鳴き始めた。

「あ、あれはどうしたんでしょうね?」坂名は尋ねた。スタッフの真中さんは

「どうしたのかしら、おなかはいっぱいのはずですし…具合が悪いのかしら。ケージから出し抱いてみます」ここは専門医も在中している。

「スーちゃん大丈夫? どうしたのかな~」真中さんが一生懸命声を掛ける。

あ! 男の子だ! 見えちゃったので。

「真中さん、スーちゃんは三毛猫なのにオスなんですね、珍しいですね!」

即座に答える真中さん。

「ええそうよ、それにしても、スーちゃんが鳴くなんて…」

「え?」坂名はさらに聞き返した。

「スーちゃんは普段鳴かないんです。シャンプーの時に猛烈に嫌がりギャーっていう時しか」

 他のスタッフが呼びに行った獣医師が問診を始めた。

結果、異状はないようだ。坂名は静かにその様子を見守っていた。そしてケージに返されそうになったスーちゃんを「抱かせてください」と言った。

が、真中さんは「…あの、たぶん無理だと思います。この子はとっても人見知りで心をゆるさないんです。この施設にいる人間で抱けるのは私だけです。スーちゃんはね、雨の日にお寺の前で箱に入れられていました。その頃はまだ子猫で今より小さかったです。あ...スーちゃんはいま1歳ぐらい。人間でいえば17才ぐらいですよ。お寺の前でねスーちゃん、雨に随分と濡れ助かるかどうかわからないような状態を保護されここにやってきました。おそらく棄てられたんでしょうね。棄てられる寸前まで飼い主と暮らしていたはずです... 思うに、辛く当たられていたのかもしれません。不自然なケガをしていました。でも、ワンだふるだニャンでどんどん元気に育って行ったのです」

「そうなんですね...」

 坂名は話を聴き胸が痛くなった。それと共に残念だな...連れて帰りたい、なぜだかスーちゃんに惹かれるのだ。ケージに再び戻されたスーちゃん。

「にゃー! にゃー! にゃー!」またも大声で何かを訴えているかのようだ。

 坂名は自然とケージに近寄り指を入れてしまった。すると、スーちゃんはのどを鳴らし始めた。一同ビックリである。なつかないスーちゃんが初対面の人にゴロゴロ言ってるー! とみんな大騒ぎだ。

 なんだか坂名はそのみんなの感嘆というか歓びのどよめきをきいていると涙が出てきた。

なんで泣くんだろ、あたし… わからないが次には言葉が出ていた。

「この子を連れて帰っても良いですか?」

 真中さんは驚きを隠せないまま、

「ええ、もちろん! スーちゃんはあなたを好いているわ! …けど、お迎えの準備はできていますか?」「はい、もちろんです」坂名はニッコリ笑った。

 にゃんこが絶対に家族になる、そんな予感がしていた。先週からすでにキャットフードに美味しい缶詰、ねこ砂やベッドに猫じゃらしなどなど、準備万端だったのだ。

移動用のケージは施設から譲り受けた。もともとスーちゃんのためにあったものだ。

ス ーちゃんが坂名の家に着いた。

 …にゃ? …あ、あれ? オレ…想うことと・感じること・考えることが全部「ネコ語」に変換されるぞ?? ハテ…

 スーちゃんは女性の足元で、写真立ての中の幸せそうなカップルに目をやった。

 お!! お・お・お! オレじゃ~~~~~~~~~ん!

 あ、さ…坂名!!

 な、なにこれ、どしたー…おれ~落ち着け~オレ―。

 う! お・せ・ん・こ・う! お線香――――――!

 オレ死んじゃったの――――――!?

 で、ネコになったのー なにこれ物語り~ッ!??

 そ、物語りですよ! というか事実です。なおちゃん…君はネコに生まれ変わりました。

「にゃぁがごおおごごおおおぉ! にゃおぅうんんん!!」

 坂名はスーちゃんの異変に気付きすぐに優しく抱いた。

「どうしたの?! スーちゃん、やっぱりご病気なのかしら? だいじょうぶ?! 動物病院へ行こうかしらね!」

 あらかじめ、病院のことも調べておいた坂名はすぐさま車でスーちゃんを診察してもらいに連れて行こうとした。

 するとスーちゃんはおなかを見せゴロンゴロンと元気な様子で甘え始めた。

「スーちゃん? だっこして欲しかったのかな?」

 よしよし。頬を摺り寄せおでこをなでなでする坂名。

 あゝ! オレは、オレは、ところで雄なのか? そうあってほしい、そう願いたいものだ。

 毛づくろいを始めるスーちゃん。

 あった! おとこだ。 …。といったところで、死んじまったんなら、てか猫なら坂名と恋愛しようもないか... 悲しい。

 でも、オレは坂名を守ってみせるぞ! なにがあったって、今度こそは。

 スーちゃんが、心なしか淋しそうだ…

「スーちゃん。スーちゃん…おなかが空いてるのかな~」

 嗚呼... 坂名って相変わらずだな。どっか天然なんだよ。そうじゃないんだなー。ま、解りっこないよな、この場合は。

 高級な缶詰めに見向きもしないスーちゃんに今度は猫じゃらしであ~そぼ! っと坂名は一生懸命棒の部分を持ち、ふにゃふにゃした部分を床に擦り付けたり振ったりしている。

 お、なんか楽しそうだぞ!! スーちゃんの体になったなおちゃんは、必死になって坂名が放り投げた猫じゃらしを探し、くわえ、また坂名の元まで持って行く。

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「スキよ…なおちゃん…なおちゃん…ン…」  坂名と直はいつものようにベッドでもつれ合っている。 「気持ち イイの…?」直が顔を上げいたずらに囁く。 「うん、うん、もっと舐めて!」  万華鏡のように互いにポーズを替え、夜の海に次々と堕ちてくる星々のような感動がふたりを襲う。 「ああ! 愛してるよ、坂名!!」  そんな風にいつもいっしょに湖の深い処の石になる。その石は何億年も前からそこに在り、淘汰されながらも輝くものだけを吸収してきた宝石だ。 「コーヒー…淹れるね」  恥じらう表情で髪をかき上げつつ、坂名はベビードールにショールは羽織りキッチンへ向かった。 「うん」  情熱的に坂名を愛する直は普段もの静かな男だ。 たばこのいい匂いがする…坂名は直の副流煙に酔いしれている… 「だ~め! せっかくやめたんでしょタバコ」「キャハ♪」煙にではない、直を味わっているのだ。 二人は約2年交際している。  3カ月後には結婚を控えているのだ。今は互いの家を行ったり来たりしデートを重ねている。坂名はドライブを好むので、直はよく緑の多い森や、キラキラとした海に坂名を連れ出してやる。 これからず~っとなおちゃんが帰って来てくれるだなんて夢みたい!! あたし一生分のラッキーを使い果たしちゃった感が否めないわ…ってなに言ってんのあたし! ここからがスタートじゃんね~Happyのっ。 なおちゃんが帰ってゆく時はいつもたまらなく淋しい。ヤダヤダってだだっ子してしまう。 「坂名ぁ? ...猛烈に今の企画立て込んでるからさ…今度のデートの時は泊まれると思うよ」 まっすぐな坂名の黒髪を愛おしそうになでる直…。 「はい」坂名はなおちゃんの愛情深さには敵わない。  編集社で中堅どころの36才の直、働き盛りだ。  一方の坂名31才はベテランのラウンジレディとして生計を立てている。  実は、直は直の上司と連れ立った先の、坂名の勤めるラウンジ「叶ゑ」で坂名と出逢った。  互いに一目惚れだった。  ちなみにすでに寿退店は決まっている。ママも非常に喜んでくれている。 初めて直のテーブルに着いた際、坂名はある事が気になった。 「あ…あのぅ、宮野さん」宮野は直の苗字だ。 「ン? なんですか実玲さん…」実玲は坂名
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花の匂い 2
 それにしてもなんだかな~...猫の好物「さかな」が「最愛の女の名前」だなんて。  で、オレ、今は猫。笑えねーよ。「お仕事にいってくるね、スーちゃん!」  …ちょっぴり淋しいスーちゃん猫なおちゃん。 「みゃぅーん」それこそ猫なで声でしっぽをぴんと立て、玄関に立っている坂名の足元にまとわりつく。「早く帰ってくるよ、スーちゃん」坂名はスーちゃん抱き上げほおずり。 (ぅぅう~たまらん! 坂名! 今すぐベッドで愛し合いたいよぉ)  オス猫の切ない嘆きだ。そっと坂名はスーちゃんを玄関マットの上に下ろした。 「いってきまーす」  笑顔の残像が猫なおにいつまでも漂う。 (坂名、がんばり屋だから無理してないかな。だいじょうぶかな… それと...お・と・こ! 新しい彼氏なんかできちゃった日にゃあオラぁは泣くぜ?!! ライオンみたくな!) 猫なおの一日は、坂名が用意してくれているネコ用ベッドやソファの上でだいたい眠っているが、気が向けば時には部屋の中をうろつき、うっかりものの坂名が美味しいものを仕舞い忘れていないか探してみたり、坂名のベッドへ行き枕の匂いを嗅ぎうっとりする。オレは変態か! と自身にツッコミを入れつつも辞められない癖だ。  あとは爪とぎ器で爪を研いだり、う~んと思いきり伸びをしたり、なおちゃんはネコちゃんとしてそれなりに日常を満喫している。なんといったって坂名とずっと一緒だしな。  ただ…オレ、また坂名を置いて逝ってしまうのか…順番で言えばそうだろ。 可哀想だな、オレの坂名...なんとかしてやりたい。「ただいまー、スーちゃん!」坂名が帰ってまっ先にすることは、ドアを開けるや否や玄関に走り寄ってくるスーちゃんを抱きしめて、鼻先にちゅっとキスすることだ。  赤面するスーちゃん、でも三毛の毛に覆われているので坂名には見て取れないだろう。  坂名ぁ、オレこんなに悦んでるぜ! わかってんのー!? 猫なおはのどをゴロゴロと鳴らす。  そうして坂名が手洗いうがいをしようと、スーちゃんをおろそうとしても、爪を洋服にひっかけてまでスーちゃんは離れようとしない。 「にゃぁ!」拒否の声だ。 「あらあら、スーちゃん? うちへやって来てからずいぶんおしゃべりになったよねっ。かわいいスーちゃん」  ニコニコ顔にほだされて、しかたなく猫なおは爪を引っ込める。ス
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