マグゥ王家も参加する(?)ダンジョン攻略に俺達も参加することにした。マグゥ王家には俺が魔法を付与した武器・防具を売りつけてある。
俺達は、俺は普段通りで、超初心者パーティーの皆様には強力に魔法を付与してある武器・防具を装備してもらった。
赤猫ちゃんも参加するみたいだ。「あれあれ~?超初心者パーティーが王家が参加するようなダンジョンの攻略に参加するみたいだぞ?命知らずだな。あぁ、ダンジョン内にギルドで採集しなきゃなんない薬草とかあるのかな?ガハハッ」と笑っている。
正直なところ……この場で一番脆弱な装備をしてるのは赤猫ちゃんのパーティーなんだけどなぁ……。
早速ダンジョンに潜ることにした。ダンジョンに潜るだけだし、俺は魔法を使う必要は恐らくないだろう。
マグゥ王家の連中も結構苦戦している。普段の鍛錬が足りないからだ。俺は心を鬼にする。
赤猫ちゃんのパーティーはもうボロボロ。「こんなはずじゃないのに……俺らがダンジョンを攻略して、陛下に報償を貰い、確固たる地位を確立するはずだったのに、なんてザマだよ」
ほう、煩悩まみれだな。地位と名声と財産目当てか。まぁ冒険者なんてそんなもんだよな。
超初心者パーティーはというと、魔法は効かないし、物理攻撃も効かない。メンバーは「ギャー!」とか怯えた声あげてるけど、怪我はまるでしていない。
しかたがないので、ダンジョンの敵は俺とリルリルで倒している。マグゥ王家の面々も頑張ってはいるけど、倒し漏れというのがあるわけで……。
第56層、結構下層の方まで潜ったと思う。
敵がアンテッド一色となった。アンテッドは面倒だなぁ。聖水使うのはもったいないし……。お金はあるけど、貧乏性は治らない。
やむを得ない、最後の手段。俺が魔法を使おう。面倒だなぁ。でもアンテッドだし。リルリルすら使えない。
俺は聖属性の魔法を使って第56層のアンテッドを一掃した。(つもり)
マグゥ王家のパーティーにやたらと拝まれた。倒し漏れは燃やせばいいかな?物理攻撃は中途半端にしても復活しちゃうからなぁ。
ちなみに俺は全属性の魔法が使えます。全属性というか、俺に限りなんでもアリです。マグゥ国王陛下にも言ってない。コキ使われそうだから。
第57層が最奥のようだ。
ボス?リルリルの仲間?
「リルリル?知り合い?」
「知っている奴ではない。どっちかというと、いつも縄張り争いをするような相手だ」
あぁ、幼馴染?
「お前……誇り高きフェンリルでありながら、従魔などしているのか?バーカバーカ!」
知能指数が幼稚園児だろうか?
「フンッ、主は特別だ。我よりも格段に強いからな」
「俺よりも強いのか?」
「そうだろうな……」
言い終わるや否や、王家の連中攻撃を開始。俺(・)より(・・)は(・)弱いだけでフェンリルだ。王家のパーティーくらいで倒せるか?
あぁ、やっぱり。フェンリルの尻尾の一振りくらい(・・・)で(・)なぎ倒されている。
「えーと、フェンリル。貴方は今後どうしたいんだ?いつまでもこんなジメジメとしたダンジョンの奥にいたいのか?それとも太陽の下思いっきり走り回りたいのか?」
‘走り回る’というワードにちょっと心動かされているようだ。その尻尾が物語ってるよ…。
「ちなみにリルリルは走り回っている」
「俺は……」
「あ、ゴメン」
すでに、フェンリルを檻で囲んで保護した。言い終わるの待てば良かった。やってしまった。…反省。
俺は慌ててフェンリルを解放した。
「どうぞ、続けてください!」
「どこまでしゃべったか、忘れたんだが?」
「最初から話せ」リルリルが説明を求めた。……命令口調だけど。
「俺は、そもそもこんなところにいるつもりはなかった。何かの呪いか?このダンジョンから外に出れなくなった」
ほう、そんな理由が。
「あ、マグゥ王家の方とかもう大丈夫なんで、撤収してください。苦情があるなら、俺が相手になります」
マグゥ王家の連中はこのフェンリルを倒して、ダンジョンを攻略。というのが目標だから、そう簡単には撤収してくれないようで…。俺に向かってきた。
「仕方ないなぁ」
とりあえず、俺とリルリルと最弱パーティー(気絶中)とフェンリルを隔離して結界を張った。並みの魔術師が束でかかってもそうそう壊れないだろう。
マグゥ王家の連中とか結界を頑張って壊そうとしている連中を無視して話を続けた。
「つまり、その呪いが解ければ万事解決か?」
ドゥーン!
「そうだな」
俺が見たところ、後ろの左足に重りのようなものがついている。これが呪いか?
ズガーン!
「後ろ左足に重りみたいのついてるんだけど、見える?」
「いや、俺には見えない」
ふーん、俺だけ見えるのか。って事は、それが呪いか?そんじゃあ、後ろ左足についているものを外せばOKだな。
「そんじゃあ、後ろ左足についてるやつをはずす」
カキーン!
まず、フェンリルの左足を切断してみた。後、左足を復元。左足を切った時はリルリルもこのフェンリルもかなり焦ってたけど、というか俺だけ普通だった。復元した左足にまた呪いが発現したのでこの方法は使えない。
「…っ、心の準備というものが必要だと思う」
リルリルにも言われた。その後はどうするのか伝えよう。二人(二匹?ともドキドキしたらしい)。いきなり切断は流石にいけなかったか。
「左足を欠損しても復元しては全く意味を成さないことが分かった。呪いそのものにアプローチする必要がある。そこで、まず左足から伸びている鎖を切ってみようと思う」
俺は、鎖をまず物理的に切った。またつながった。うーん、全体を消さないとダメなのかなぁ?呪い……聖魔法で消えるかな?
「隊長!ダメです!この結界破れません!これ以上はダンジョンが崩れてしまいます!」
「それでもヤレ!」
ドゴーン!
ダンジョンは崩れ落ちた。結界に俺達は入ってたので全員無事。どっちかというとマグゥ王家の皆様の方に負傷者がいるんじゃないかなぁ?
「とりあえず、物理的に切ってみたんだけど鎖が復元して意味がなかった。一部の欠損だとダメなんだろうか?呪いだから聖魔法が効くだろうか?重りの元に聖魔法をかけてみる」
やはり、一部の欠損だと復元してしまう。
「うーん、聖魔法で一時的に消えるのはわかった。しかしだ。すぐに元通り。全体に聖魔法をかけないといけないようだ。フェンリルには聖魔法効かないよね?」
「ちょっと痛いかもしれませんが、何かあったら主が魔法でどうにかすればいいのではないですか?」
リルリル推奨なので、俺は呪い全体に聖魔法をかけることにした。そういえば、忘れてたが結界の外は王家の連中が騒いでうるさかった。結界vsマグゥ王家になるようにすればよかったかな?
思った通りに全体に聖魔法をかけたら呪いが消えた。フェンリルもかなりのダメージを受けたようだ。かわいそうなので、俺は回復魔法をかけた。
「これで外を走り回れるぞー。討伐されるといけないから犬くらいのサイズになったら便利だよ。行動範囲も広くなるし、目いっぱい走り回れる」
俺は特に希望していなかった。
本当だよ。
でも、コイツの希望なんだもの仕方ないよね。
リルリルに続き、コイツも俺の従魔になった。
「主は非常に強い。強きものに従うのが自然の道理!」
さっきはリルリルのことかなり詰ったのに……
俺はコイツに“フェン”という名を与えて連れて帰ることにした。
食費?フェンとリルリルにそれぞれ自分で狩ってこいってどっかの森に放り出す。毎回。
リルリルはそうしてきた。
ダンジョンから俺と超初心者パーティーとリルリルとフェンが出てきた。というかさっき王家の人がダンジョン破壊した時に青空を見た。心の中で「天気イイな」と思いました。
俺としては皆仲良くしてほしいんだよなぁ。完全なる上下関係は望まないんだけど…。とりあえずの結果。「うーん、道場破りさんの相手はフェンにしてもらおうかな?」「自分なんかでいいのですか?今回の試合で最下位でしたし……」「それなんだけど、道場破りさんて大体はフェンより弱っちいよ?うちが特殊なんだよ」 そうなんだよなぁ。 付与魔法もあんまりかけないでやろう。自身を研鑽するように。 試合中に自分の愛刀が欠けるとか折れるなんてもってのほか! 愛刀は心を込めて自ら研ぐべし!「物理攻撃しかできないようになっているからいいでしょ?」「私は構いませんが……」「他の皆はホラ、俺って商人じゃん?ショーバイだってしなきゃなんないし?そっちに力入れたいんだよね」「「「「主が商人なのを忘れていました!」」」」 心外だ……。 フェンを破るような気配を感じたら、そっちに行くからさぁ。あと卑怯にも数人がかりで向かっていくとか? 俺が相手をしていた時もいた。 数人まとめてかかってきた。仕方ないので、まとめて国外に飛ばした。 俺だけがあの魔法が使えない結界の中で魔法を使う事ができる。 そんなことで、俺は商人をしながら剣術の保護を目的として道場の経営もしています。
次の組み合わせはどうしよう? 勝ち組同士、負け組同士だったらトーナメント戦みたいだし……。 いっそのこと、勝者対敗者みたいなカードにしようかな? 翌日「第3試合!リルリル対ヤマタノオロチ君!」 フェンリル的にどうなのかなぁ?あと、ヤマタノオロチ君の実力はどんなもんなんだろう?「始め!」 リルリルがいきなり威嚇するように咆哮をした。雄叫びというやつか? あーあ、ヤマタノオロチ君、結構ビビりだからなぁ。でもなぁ、ヤマタノオロチ君てどうやったら倒せるんだろう?フェンみたいに喉元に噛みつくっていってもヤマタノオロチ君の喉元は8つあるし、リルリルどうするんだ?「あー、主。我らの試合は引き分けだな。このまま続けても、俺は物理的に攻撃をしていくだけだけど、どれだけかかるかわからん。1年以上かかるやも…。雄叫びを続けることは可能だが。そういう理由だ」 なるほど、それだとなぁ納得だ。おそらくフェン対ヤマタノオロチ君の試合をしても同じ現象になるのかな?リルリルに聞いた。「恐らく…。そうなるでしょうね」 リルリル +1、ヤマタノオロチ君 +1「第4試合!フェン対俺様火龍!」 うーん、俺様火龍なら喉元に噛みつくことが可能だ。どうなることやら?「始め!」 フェンはまず雄叫びをあげた。ヤマタノオロチ君みたいに硬直してくれたらラッキーみたいな?でもガラスのハート持ちじゃないからなぁ。 案の定、俺様火龍は雄叫びの咆哮を避けた。避けるとか出来るんだな。そして、俺様火龍はブレスをフェンに向けて吐いた。「獣というのはだいたい火に弱いと相場が決まっている」「熱いじゃないか!主、降参だ。こんなのを続けては‘フェンリル焼き’になってしまう」 なにそれ?料理名?とりあえず、炎は嫌だと。「それでも誇り高きフェンリルなのかー!」「うるさいな、外野。明日はじっくり見てやるからな」 フェンは誇りと命を天秤にかけて、命を取ったのか。懸命だけどね…。俺としても‘フェンリル焼き’を治療するのはちょっと…。 ここまでのところ 俺様火龍 +4 フェン +2 リルリル +3 ヤマタノオロチ君 +1 うーん、今後の戦いだけどフェン対ヤマタノオロチ君は引き分けるだろうなぁ。 やっぱり注目は俺様火龍とリルリルかぁ。 リルリルはフェン
俺は宣言通りに会場を元通りに戻した。魔法で。 お金なんか使っていたら、時間もかかるしいくらかかるかわからない怖いなぁ。「さて、第2試合!俺様火龍対ヤマタノオロチ君!」「旦那ぁ、よしてくださいよ。俺なんかが火龍の旦那には勝てませんよ。降参です」「いいの?」「火龍の旦那には絶対に勝てないってわかってるからなぁ。勝てない勝負はしたくない」 打算的と言うか何と言うか…。気持ちはわかるけど、ヤマタノオロチ君もせっかくのチャンスだし、やってやる!みたいな感じになってもいいと思うんだけどなぁ。「そんなに勝てないってわかってるって、昔何かあったの?」「ず―――っと昔にありましたぜ?もう何百年も前かなぁ?あの頃は若気の至りったやつかなぁ?何度も火龍の旦那に挑んでたなぁ。地元では敵なし状態だったから調子に乗ってたんだな。」「俺が封印される前の話か?それなら数千年前じゃないか?」「あ、そうですね。なんせかなり昔の事なので、うろ覚えで……。火龍の旦那には敵わないって事はキッチリと覚えていました!」「そうだな」 初めて会った時に火龍に対していきなりビビられたもんな。正直言って、ヤマタノオロチ君の方が俺は怖かったよ。俺様火龍はなんとも思わなかったかもしれなかったけどさ。 ヤマタノオロチ君は見た目よりもずっとガラスのハート持ちだもんなぁ。*********「まずは『火龍』って言うんだろ?俺の火のブレスでも喰らえ!」 俺様火龍のブレスの火力の方が強かった。「…は、ま…まあ?火しか使えないみたいだし?俺のブレスは8種類あるからな!次はどうだ?水のブレスだ!」 俺様火龍のブレスで全部蒸発してしまった。「次!水より冷た~い。氷のブレスだ!喰らえ!」 俺様火龍のブレスで蒸発してしまった。水のブレスと特に変わりはない。「仕方ないなぁ。これでも喰らえ!風のブレス!かまいたちはよく切れるぞ~!」 俺様火龍のブレスで火が風を起こし、難なくクリア。「これならどうだ?雷のブレスだ!これには故郷のやつらもなかなか苦戦を……」 俺様火龍のブレスで雷の威力を上回った。「フン、まあいい。俺はなぁ、こんなこともできる眠りを誘うブレスだ!どうだ。喰らえ!」 俺様火龍のブレスでヤマタノオロチ君のブレスが分散されてそこらの生き物が眠ってしまった。「……起こしてやれよ」「当然
「えっとぉ、みんなそんなにピリピリしないでよ」「しかし、主。この後、戦うと思うとどうしても……」 そういうもんだろうか?「ルールは勝ちが2点、引き分け1点、負け0点。で従魔の皆の順位を付けちゃうよ~!」「うむ、野生ならば上下関係があって然りだ」「主のみが上でその他は同じだったからな」「これからはそれが変わるのか?楽しみだな」「俺は…火龍の旦那には勝てない」 従魔の皆もいろいろ考えてるんだなぁ。「それじゃあ、早速第1試合!リルリル対フェン!」「あれって、フェンリルだよなぁ」「2匹も存在したのか?」「というか、2匹ともルーフェスの従魔?ルーフェスはどれだけ強いんだ?」「ふむ、主が褒められるのは鼻が高い気がするな」「主に恥じないような試合にしようじゃないか?」 うーん、ナーバスで火花がバチバチ? そんな2匹だったのに……試合が始まると、低レベルな口喧嘩が始まった。「お前なんか仔犬サイズの頃から嫌いだったんだ」「俺は生まれる前からお前が嫌いだったんだ。俺の方が先に嫌いになったんだな?俺の勝ちだ」「何おぅ!俺は前世からお前のことが嫌いだぞ?ホラ俺の方が先だ。俺の勝ちだな?」「なあ?これって世界に名高い気高きフェンリル2匹の試合なんだよな?」「俺もそれは思う所があるけど、見守ろうぜ?」 それは誰もが思う所だけど、見守ろうよ。「フェン!リルリル!口喧嘩じゃなくてちゃんと戦ってね。怪我してもちゃんとあとで治癒魔法かけるから全力で!この会場が壊れても、俺がちゃんと元通りに直すから(魔術で)気にせずにぶつかって!」 「金か?金の力か?」とか聞こえたけど、そんなことにもったいないなぁ。お金使うわけないじゃん。「観客の皆様に申し上げます。これより2匹のフェンリルが全力で戦います。会場が崩壊する恐れがありますので、腕に覚えのない方、興味本位のみで来た方は、命の保証をしかねますのでご了承ください」 会場を元に戻して、なおかつ、会場崩壊に巻き込まれた人の蘇生魔術なんかしていたら、俺が死んでしまう!「リルリルもフェンも頑張って~」 と、俺はのん気に声援を送った。っといけない。今日の俺は公正な審判だったな。キチンと観届けなければな。 リルリルが尻尾でフェンに攻撃!会場の一部が崩壊。 フェンも負けじと尻尾で攻撃!またしても会場の一部が崩壊。
道場には世界各国から猛者がやってきた。‘ルーフェス’という名前につられて。 ルーフェスは殿下に鍛えられたのも一因だが、昔取った杵柄というのか、体が徐々に剣術を思い出し、連戦連勝で道場破りさんを一蹴してしまった。 道場で剣術を学びたいという、奇特(?)な人間もいるもので、そんな方には店での商品を推薦した。(買わせたとも言う) 道場では魔術は禁止しているというのに、道場破りさんには魔術を使ってでも‘ルーフェス’に勝ちたいという輩がいうようで。 予め道場では魔術が使えないように魔術をかけてあるので、ルーフェス以上の魔術師でないとまず破れないであろう。だから無理。 さらに、店とか庭とかに放し飼いになっているリルリルたち従魔の存在が非常に怖いようだ。知らなかった。『可愛い犬とその他』だと思っていた。世間との価値観の相違。 そんなことをしながら今日もルーフェスはショーバイに精を出すのです。 道場破りさん達にも愛刀は自分で研いだ方がいいよ☆とアドバイス。俺も随分丸くなったよなぁ。嗚呼、年齢を感じてしまうけど、やむを得ない。 アドバイスはするけど、道場破りさんと手合わせする時は木刀なんだよね。 間違って殺しちゃったら嫌だし?いやっ、蘇生魔術はするけどアレは疲れるんだよね。 手合わせ後は必ず体力も回復魔法かけてあげてるし。俺優しー。「主は優しすぎます!」「主は優しさで出来ているんじゃ……」 常備薬?「そこまでしなくてもって時あるよなぁ」「向こうは、主を打ちのめす気で来てるのに、結局回復までしてくれて有難うだよなぁ」 従魔達の意見を総合すると、俺は道場破りさん達にもっときつくあたるべきだということだろうか? うーん、でもなぁ。『この道場に来ると死にそうになる』とか噂が流れるのは不本意だ。 ここはひとつ!俺の従魔さんに働いてもらおうか?俺はその間商人に専念できるし! そんなことで従魔さんのトーナメントを開催することを決定した。 4匹いるから準決勝と決勝だけだね。 総当たり戦…。でもいっかぁ。 それじゃあ、また殿下に闘技場をお借りしたいというお願いをして来よう。 道場破りさんはヒトである俺に勝つことを想定してるかもしれないけど、俺は従魔より断然強いから、従魔に勝てないとねぇ? しかも剣術のみで勝てたら相当お強いヒトだと思う。……勝てた
俺は試合が終わって一大決心をしていた。「あのー、ノワール殿下。俺に剣術の稽古をつけてくれませんか?今回は魔術アリだったので、俺が勝ったのです。剣術のみだったら、どうでしょう?俺が危惧しているのは剣術の衰えです。殿下の剣術は素晴らしい。是非殿下に剣術を指南していただきたいのです!」「うーん、愛刀の礼もあるし。いいよ。私の時間が空いてるときに。ルーフェス殿の従魔たちにも会いたいなぁ」「従魔達にも伝えておきます」「私との時間以外は騎士達の所にいると助かる」 それは……騎士達が嫌がるだろうなぁ。しかし、殿下の命ならば……。俺も木刀のみにしよう。剣術を鍛えたいし。従魔達は一匹ずつだな……。あの地獄絵図が頭から離れない……。 その日のうちに従魔達には俺が殿下に剣術指南を頼んだという話をした。「主なら直ぐに剣術も達人になるだろう」と従魔達にお墨付きをもらった。そ・う・す・る・と?俺は晴れて『魔術騎士』というものになれるのか!!なんだか響きがいいな♪気分が上がる。今まではかなり魔術に頼った生活してたもんなぁ。主に付与魔術。はて?剣術って日々の生活にどう役立てるんだろう?包丁はきれいに研げる。しかし、これは剣術ではないだろう。護衛とか?だとどっかのギルドに登録しなきゃならないのだろうか?まぁ、それは追々だな。今から頭の中で捕らぬ狸の皮算用しなくてもいいだろう。ある程度上達したら、殿下に相談しようかな? 「そうだな。剣術は日々の生活には役に立たないなぁ。騎士なら……しかしそれだって護衛対象や賊がいてこそだし。難問を持ってくるとは、流石だなルーフェス殿」 「いやぁ、『魔術剣士』という響きは今はいいのですが、日々の生活ではどう役に立てましょう?と思いまして。魔術でしたら、付与魔術を用いて生計を立てることができます。しかし、剣術となると、どうでしょう?包丁を上手く研げるようになるでしょうね。それだけでしょうか?」 「うむ、私もその点は思う所がある。今よりもずーっと平和な世の中になった場合、剣術はどうなるのだろうか?と。包丁を研いで生計を立ててもよいが、それだけだろうか?と」 やはり殿下をもってしても悩む問題のようだ。ムズカシイ。 「とりあえず現段階では剣術大会として剣術を残そうと思う。同時に研鑽してもらえればとも思う。私は魔術より剣術派だ」 そうか、剣術