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10.披露パーティーでひと悶着ありそうな予感がいたします。 その5

Author: さぶれ
last update Last Updated: 2025-07-03 04:29:09

 高速エレベーターを降りた先は、フロアの絨毯が一際重厚なものに変わった。恐らくVIP顧客しか泊まらないような、ロイヤルスウィートの部屋がある階なのだろう。私は生まれてこの方、こんな場所に立ち入った事は無い。空気が違う。土足で歩くのが勿体ないくらい、高級な絨毯なのだろう。

 杏香さんはカードキーを取り出し、今日宿泊するであろう部屋の扉を開けた。入るように促されたので、失礼します、と伝えて中に入った。

 中は入り口から広く、贅を尽くした極上ルームだった。かなりの広さを誇るデラックススイート。お金持ちしか宿泊できないそこは、上品な調度品が施されていた。入口から奥に見えるベッドは白く、さぞかし心地よく眠れるのだろう。一矢の本家みたいな部屋だと思った。全面ガラス張りで夜景は独り占め。空調も快適で言う事無しだ。一度でいいから家族全員でこんな部屋に泊まってみたい。みんな喜びそうだ。まあ、絶対にできないと思うけど。家族多いから。

 お金持ちは、こういう贅沢空間が当たり前なのだろう。庶民が迂闊に泊まれるような部屋ではない。相当な記念日でさえ、こんな部屋に軽々しくは泊まったりできない。一人当たりの宿泊費用は、グリーンバンブーの基本八百円の定食が何回食べれるのだろうとか、貧乏ったらしい考えではすぐに算出できなかった。百食・・・・いや、二百食以上はゆうに食べれるだろう。所詮その程度しか概算できない。

「一矢をどうやってたらしこんだの?」

「はい?」

 鍵をかけた途端、杏香さんは豹変した。口調も柔らかいものから、すごくキツイものに変わった。

「だから、一矢をどうやってその貧相な身体でたらしこんだの、って聞いているのよ」

 貧相…。中松だけでなく、三成家の人間は私を心のある人間として扱ってはくれないのだろうか。

「お言葉ですが、一矢とは関係を持っておりません。純粋に彼も私を好いて下さっています。私も彼が――」

 そこまで言った途端、杏香さんは高笑いを始めた。「あーっはっは、おかしいわぁー」

 なにがおかしいのよ。失礼しちゃうわ!(怒)

「まさか男女関係もまだなんて! まさか伊織さん、貴女、処女?」

「……いけませんか」

 思わず正直に答えてしまったら、更に笑われた。「いけなくないわよぉー。寧ろオーケー!」

 腹立つわあ。

「だったら尚更プレゼントは大切ね。さあ、奥へ進んで」

「あ、いえ、
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      ガアン! なにかを激しくぶつけた音がして、続いて入り口の方で扉がバアン、と派手な音と共に開いた。「伊織様――っ!!」      恐らく扉を······でこじあけた中松が、こちらへ飛び込んで来た。私の悲惨な様子を見て、一瞬で何が行われているのか理解したのだろう。彼は機敏な動作でこの様子を撮影している杏香さんをバチーン、と派手な音と共に平手打ちで張り飛ばし、私にのしかかろうとしている男の背後にあっという間に回り込み、首を絞めた。「く、くるひっ……」「死んで侘びろや、コラ」 物凄い力で中松に首を絞められた男は、あっという間に泡を吹いて気絶…(だよね? 死んでないよね!?)してしまった。 続いて私の腕を押さえつけていた男には、馬乗りになって重厚なパンチを何発か浴びせた。蹲った所で、すかさず股間を蹴り上げる。見るからに痛そうで悲惨な状態。目の前の惨劇に思わず顔をしかめた。 男は声なき悲鳴を上げ、もんどりうってその場に倒れ込んだ。「一矢様の一番大切なお方を、しかも無抵抗に震える女性をこんな無情に傷つけるなんて、いい度胸してんなぁ、お前」 中松は胸ポケットからサバイバルナイフを取り出し、スッと抜いて杏香さんの鼻の前に突きつけた。 「伊織様はなあ、俺の命の恩人なんだ! これ以上手ぇ出したら、本気でブッ殺すぞ? お前みたいな汚れた女が、軽々しく触れていい女性じゃねえから。そこの手下みたいにボコられて侘びるか、それともその薄汚い金のかかった整形面を切り刻んだ代償で払うか、どっちがいい? どっちにしろ、全・く・足・り・ね・え・け・ど・な」 わざとゆっくり言って、目じりあたりで止めたナイフを左右に揺らし、杏香さんの恐怖を煽る。 これ…中松だよね? なんかキャラが…おかしくない? 完全に羊が取っ払われて、鬼になっている。 修行の鬼とはまた違う、本気モードの鬼なんだ。これが、この男の本性――。 私は中松の変貌ぶりに強く驚いてしまい、襲われていたショックも忘れ、呆然と成り行きを見るしかできなかった。「決めた」中松が笑いもせずに言った。「先ずは目を抉ってやる」 躊躇せずナイフを突き立てようと振り上げた。中松がその腕を振り下ろす。あと数ミリ動けば目に刺さるという所でピッタリナイフを止めた。中松によって無理やり目をこじ開けられていた杏香さんは、そ

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     「あら、花蓮さんじゃないの。ごきげんよう」 声が掛かったので二人で振り向くと、一矢の義理のお姉さま、杏香(きょうか)さんが立っていた。一矢と全然似ていない。まあ、腹違いでもここまで似ていないのかというほどだ。だから一矢をかわいがれないのかもしれない。 彼女は嫌味で高慢。性格の悪さが滲み出ているような雰囲気で、せっかく綺麗にしているのにまったく美しいとは思えない。一重の目はきつく狐のように吊り上がっていて、長い髪の毛をまるで銀座のママのようにきちーっとセットしていて、ガチガチに固めている。お風呂でセットを崩すのが大変そうというのが印象。高級ブランドのめちゃくちゃ高そうなスーツに身を包んでいて、全身隙が無い。 私、この人嫌い。 もう一人のお姉さまの柚香(ゆずか)さんも同じような雰囲気で嫌い。一矢を幼い頃から酷い目に遭わせてきたのだもの。だから許せない。 けれど、私を本家に紹介して顔合わせする必要があるから招待せざるを得なかった。まあ、一番の目的は本家に堂々と申し入れすることだから。呼ばないわけにはいかない。本家だけに出向くと何をされるか解らないので、敢えて人目の多いホテルを選んだとのこと。中松が手配してくれた。 「杏香様、ごきげんよう。お久しぶりでございます」「花蓮さんも気の毒ねぇ」 杏香さんが頬に手を当てため息をつくように言った。私みたいな無血統女に一矢を盗られてしまって、みたいな嫌味が続くのだろう。流石にこの場では言われなかったが雰囲気でわかった。こんな時、どんな顔をすればいいのか、中松に教えてもらっておけば良かった。 まあ、中松なら涼しい顔をしているだろう。どんな嫌味を言われても気にせず、堂々とするのがあの男だ。私もそうしよう。 「伊織さん、でしたわよね。丁度良かったわ。お祝いを渡したいのだけど、一矢に渡しても受け取らないと思うから、貴女にお渡しするわ。高額なものだから部屋に置いてあるの。一緒に来て下さらない?」「あ、はい。承知致しました。ここを離れるので、中松に声をかけて来ますのでお待ち頂けますか?」 うええー、ほんとは行きたくないよおおー。でも嫌って言えないよね。一応、義理姉にあたるお方なんですもの。「すぐ済むからいいわよ。いちいちあの嫌味男にいわなくても。それに私、待たされるのは嫌い」「は、はい…」 杏香さんでも中松は

  • 幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです   10.披露パーティーでひと悶着ありそうな予感がいたします。 その3

     とりあえず今日は取引先やその他、一矢を懇意にしている方々へのお披露目らしい。お披露目というより、むしろ虫よけ的な扱いだと思う。令嬢は三条家の花蓮様みたいにご自身が一矢を好きであったりとか、ご両親の思惑で娘をあてがおうとしている方が、非常に多いだろう。 一矢の会社が軌道に乗り出してから、特に増えたと聞いている。 三成家との繋がりや、人気のある一矢自身と関係を持ちたいからだろう。一矢が好きならまだしも、彼の持つ地位や財産目当ての見合いは、彼自身がうんざりしているのは知っていた。本当に大変だと思う。だからニセ嫁に仕立て上げた私を使って、それをけん制したかったのだろう。お金持ちというのは、色々大変だ。  そんな一矢に挨拶するべく、フロア内にあるラウンジに何人か集まっているらしいと聞いた。一矢は既にそちらの方に向かって来客の対応をしているらしい。私も顔を出しておいた方がいいと思って、中松と美緒に断ってそちらへ行くことにした。 マスコミの方も来るとか。本当に緊張する。見てくれは令嬢っぽくなったけれど、喋ればすぐニセってバレそうだ――と、そんな風に思いながらラウンジへ向かおうと思って歩き出した私に、ごきげんよう、伊織様、と声を掛けられた。花蓮様だった。  身構えていると、向こうから頭を下げて謝罪された。「先日は失礼を致しました。本当に申しわけありません、伊織様。無礼を致しましたこと、お詫び致します」「いいえ、花蓮様の言う事は本当の事ですわ。一矢に相応しくないと思っているのは、皆様以上にこのわたくし。誰にも負けないのは、彼を大切に想う気持ちしかございません。お気持ちはお察し致します。どうか、あの時のことはお気になさらないで。もう済んだことではありませんか」 きちんとした令嬢として、話ができているかしら。鬼に叩き込まれた言葉遣い、間違っていないか心配だ。「三条の…」花蓮様が声を震わせながら言った。「こちらとの関係が悪くならない様に計らって頂いたのは、伊織様だと伺いました。あんな無礼を働きましたのに、三条家をご配慮頂きましたこと、父に代わってお礼申し上げます」 ああ。この前掛かってきた三条氏からの電話、中松から内容を聞いたら、一矢が本気で怒って三条とは今後取引全面停止、とことん追い詰める、みたいなことを言い出したから、絶対止めて、そんなことをしたら三条家で働く人が

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