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第10話 番人たちの捕縛

last update 最終更新日: 2025-10-25 20:00:49

 エイダが引き起こした一方的な殲滅劇の後、ジャンクション・セブンの街角には、機械たちの残骸と、不気味な静寂だけが残された。俺は、腕の中で力の抜けたエイダを抱えながら、彼女に「こんなのは間違ってる」と呟くことしかできなかった。イリスはその言葉と、エイダを庇うように抱きかかえる俺の姿を、瓦礫の陰から黙って見つめていた。

 だが、安堵する暇はなかった。周囲にはまだ、武装したイージス・セキュリティの傭兵たちと、混乱した治安維持部隊が残っている。

 その静寂を破ったのは、ガシュレー・ウォードの低い声だった。

「話は後で聞かせてもらう」

 彼と、その部下であるイージス・セキュリティの傭兵たちが、瓦礫を踏みしめる音だけを響かせながら、ゆっくりと、しかし確実に俺たちを取り囲んでいく。その動きには一切の無駄がなく、感情の読めないヘルメットのバイザーの奥から、冷たい視線が突き刺さってくるようだった。彼らの動きに敵意というよりは、プロフェッショナルな任務遂行の、機械のような意思を感じた。

「我々の任務は、そのアーティファクトが、このような悲劇を二度と引き起こさないように、確保・管理することだ」ガシュレーは、俺が抱えるエイダを見下ろし、続けた。「……抵抗はするな。お前たちに、その力はもう残っていないはずだ」

 その通りだった。イリスは弾切れ、俺は先の戦闘の疲労で立っているのがやっとだ。そして何より、エイダは低電力モードに入り、その瞳から光は消え、反応も鈍い。

 抵抗は、無意味だった。

 ガシュレーの言葉を聞いていたのか、あるいは力の行使の反動が限界に達したのか、エイダの身体が最後の力を振り絞るように、わずかに俺の腕にしがみついた。そして、彼女の瞳から完全に光が消え、首筋の「AIDA」という刻印の微かな光もふっと消灯する。彼女は完全にスリープモードに移行し、本当にただの人形のようになってしまった。

 イージスの傭兵たちは、その様子を確認すると、俺の腕から力なく動かないエイダを取り上げ、俺とイリスの手を、慣れた手つきで後ろ手に縛り上げた。

「こいつをどうするつもりだ……!」俺は、エイダを担いでいく傭兵に叫んだ。

「言ったはずだ。我々が『管理』する」ガシ

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