Deserted But Not Alone

Deserted But Not Alone

last updateLast Updated : 2022-08-16
By:  Abby WealthOngoing
Language: English
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Synopsis

Abby and her twin brother, Adam were once normal teenagers with normal teenage issues until the day they clocked 18 and turned into something they never knew existed. Werewolves. After that day, they were avoided and abandoned by everyone they loved, everyone they called their family and friends. Their lives were in danger, so they ran. They faced a lot of problems and threats during their journey to accept themselves and they also found true love and friendship along the way. But now, they're back in town and are going to give all the assholes who left them a run for their money. Revenge has never been served this cold before...

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Chapter 1

CHAPTER 1

研究室で爆発が起きた瞬間、恋人の黒瀬拓真(くろせ たくま)は、施設の一番外側にいた橘小春(たちばな こはる)に駆け寄り、彼女をしっかりと庇った。

爆発音が止むと、真っ先に彼女を抱えて病院へ向かった。

地面に倒れ、血まみれになっていた私のことなど、一度も振り返らなかった――

十八年間も育ててきた「あの子」だけが、彼の心をすべて埋め尽くしていた。

他の誰かが入り込む余地なんて、最初からなかったのだ。

私は同僚に運ばれて、なんとか一命を取り留めた。

ICUを出たあと、泣き腫らした目で恩師に電話をかけた。

「先生、やっぱり私……秘密研究に同行します。一ヶ月後に出発して、五年間誰とも連絡を取れなくても大丈夫です」

その一ヶ月後、本来なら私の待ちに待った結婚式のはずだった。

だけど、もう結婚なんてしたくなかった。

……

私が入院していた間、見舞いに来てくれた人は途切れることがなかった。

親戚や友人たちも、皆顔を見せてくれた。

だけど、恋人であるはずの拓真からは、たった一本の電話がかかってきただけだった。

「小春が泣き止まなくて、今どうしても手が離せないんだ。理咲(りさ)も自分のことは自分でなんとかしてくれ。小春は不機嫌でご飯も食べないから、俺が食べさせないとダメでさ……もう本当に困ったもんだよ」

——なんて、情けない話なんだろう。

十年も付き合ってきたというのに、彼にとって私の命の心配よりもあの姪っ子の食事の方が大事だった……

そもそも最初に私を好きになって、必死にアプローチしてきたのは拓真のほうだったのに。

私のことを陰で中傷する噂が立った時には、その相手に殴りかかって、大問題になる寸前だった。

私が昔ながらの下町のエビの餃子を好きだと言えば、雨の日も風の日も構わず買いに走ってくれた。

数学が苦手で、いつもテストで足を引っ張ってばかりだった私のために、徹夜でミスノートを作り、苦手問題の分析と解説までしてくれた。

「一生一緒にいたい」って、しつこいくらいに私を追いかけて、告白してきたのは彼だったのに。

なのに今では、小春のこととなれば、私のことなんてお構いなしに見捨ててしまう……。

傷口からまだ血が滲んでいる。その痛みが教えてくれる。私のことを愛していない男なんて、もうとっくに捨ててしまえばよかったんだと。

私は涙を堪えながら、SNSにあった拓真に関する投稿をすべて削除した。それから、友人や親戚一人ひとりに結婚式のキャンセル通知を送った。

【一ヶ月後の挙式は中止になりました。どうかお間違えのないように】

それから二十五日後、私は自分で退院手続きを済ませ、タクシーで婚約者との新居へ戻った。

庭に植えていたバラはすっかり抜かれ、代わりにチシャ菜が並んでいた。

ブランコは撤去され、大きなキャラクター看板が立っていた。『小春と叔父のラブリーハウス』

その後ろには、二人のキャラがキスをしているイラストまで。

言わなくてもわかる。また小春の仕業だ。

こんなふざけたこと、これが初めてじゃない。

だけど彼女がどれだけ非常識なことをしても、拓真はいつだって彼女に甘かった。

私は自嘲気味に笑いながら、玄関の電子ロックに小春の誕生日を入力して家に入った。

出発まで、あと五日。先生と一緒に出張の準備をしなきゃいけない。

私は黙って階段を上り、荷物をまとめようと寝室のドアを開けた。——そこにいたのは、抱き合って寝ている二人の姿だった。

拓真は上半身裸で、トランクス一枚。唇の端には噛み跡、胸元には新しい引っかき傷が生々しく残っている。

小春はキャミソール姿で彼の胸に身を寄せ、豊かな胸元がぴたりと彼の体に密着し、まるで蔦のようにその身体に絡みついていた。

床の上には、黒のレースのTバックが無造作に放り出されていた。

覚悟はしていたつもりだった。

それでも、目にした瞬間、血が逆流するような衝撃に襲われた。

ここは私と婚約者の家。私たちの寝室だったはずなのに――彼らは、どうして平気でこんなことができるの……?
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