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36. 告白

last update Veröffentlichungsdatum: 04.10.2026 19:00:15

 土日をずっと寝て過ごしたお陰で、月曜日の朝には、私の熱は下がっていた。

 頭痛もなくなっていたので、いつも通りに電車に乗って会社へ行く。

 会社へ着くと、同僚たちに挨拶をして、自分の席に座り、パソコンを立ち上げた。

 コウヤが居なくなっても、私の日常生活は、さほど変わらない。

 変わったとしたら、ここ最近また残業が増えてきたことだろうか。

「ため息なんかついて……大丈夫?

 まだ彼氏と連絡付かないの?」

 伊藤さんが心配そうな口調で声を掛けてくれた。

 どうやら無意識にため息をついていたらしい。

「……あ、はい……でも、大丈夫です」

「大丈夫って顔じゃないわよ。……そうだ!

 今日は、他の人たちも誘ってさ、ぱーっと飲みに行きましょ!

 男連中も誘ってさ、合コン気分で、どう?」

 伊藤さんが私を気遣う気持ちが痛いほど伝わっ

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     土日をずっと寝て過ごしたお陰で、月曜日の朝には、私の熱は下がっていた。 頭痛もなくなっていたので、いつも通りに電車に乗って会社へ行く。 会社へ着くと、同僚たちに挨拶をして、自分の席に座り、パソコンを立ち上げた。 コウヤが居なくなっても、私の日常生活は、さほど変わらない。 変わったとしたら、ここ最近また残業が増えてきたことだろうか。「ため息なんかついて……大丈夫? まだ彼氏と連絡付かないの?」 伊藤さんが心配そうな口調で声を掛けてくれた。 どうやら無意識にため息をついていたらしい。「……あ、はい……でも、大丈夫です」「大丈夫って顔じゃないわよ。……そうだ! 今日は、他の人たちも誘ってさ、ぱーっと飲みに行きましょ! 男連中も誘ってさ、合コン気分で、どう?」 伊藤さんが私を気遣う気持ちが痛いほど伝わってきて、嬉しい気持ちよりも、彼女を心配させてしまっていることに申し訳ない気持ちになる。「……すみません。 気持ちは嬉しいんですが、今日は、人と約束があって……また今度誘ってください」 人と会う約束がある、というのは本当だ。 今朝、純也から私の体調を心配する文面のメッセージが送られてきた。 私がもう大丈夫だと答えると、食事でもどうかと誘われた。 正直、あまり気が進まないのだが、看病してもらったお礼も兼ねて、とりあえず承諾したのだ。「……あら。もしかして、新しい彼氏? それで悩んでたの??」「いえ、違います! 昔の古い……友人とです」(本当は、元彼なんだけど)「男? 男なのね?? そういう昔からの知り合いってのが一番のダークホースだったりするのよ! お互いのことをよく知ってる仲だから、色々と

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     白と黒の髪の毛に、少し混じった茶色の毛。 少し離れているが、見間違うはずが無い。 それは、人間の姿に戻ったコウヤだった。 私は、コウヤの元へ駆け寄ろうとし……足を止めた。 コウヤが笑っている。 一緒に歩いている白衣の女性も同じように笑いながらコウヤの腕に自分の手を添えている。 艶やかな黒髪をストレートに伸ばした、綺麗な女性だ。 二人は、仲睦まじく寄り添いながら隣の建物の中へと消えて行く。 私は、その場に根が生えたように、ただ突っ立っていた。 長い時間が経ったような気がした。 先程、獣医師を呼びに犬舎へ入って行った若い女性の職員が戻ってきて、私に声を掛けた。『すみません~お待たせして……東城先生なんですが、ちょっといま席を外しているみたいでして、要件だけ聞いても良いですか?』「…………え。……あ、いいえ。 もう、帰ります……要は、済んだので」『え? え? でも……』「お手数をお掛けしました」 そう言って私は、戸惑う女性職員にお辞儀をすると、足早にその場を後にした。(……どういうこと? あの人とコウヤは、一体どういう関係なの?) どくどくと心臓が嫌な音を立てて鳴く。 私の頭の中は、ぐちゃぐちゃだ。 色んな疑問が頭に浮かんでは、答えより先に次の疑問が浮かんでくる。(綺麗な人だったな……) 見るからに美男美女でお似合いのカップルに見えた。 まるで昔からの知り合いのような親しさが感じられた。(もしかして、私がいつまで経っても、コウヤになびかないから、今度はあの人に乗り換えたの?) そんな疑問が浮かんだのは、それだけ二人が親密な関係に見えたからだろう。

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     私は、伊藤さんと駅前で別れると、一人で電車に乗った。 どちらかと言うとお酒には強い方なのだが、久しぶりに呑んだせいか、少し悪酔いしてしまったらしい。 電車を降りると、ふわふわとした足取りで家へ向かう。 途中、パラパラと雨が降ってきた。 傘を持って来ていなかったので、歩くペースを上げる。(そう言えば、コウヤを拾った夜も、雨が降っていたっけ……) 暗い夜道を歩きながら、あの夜のことを思い出す。 ちょうどコウヤを見つけた場所に差し掛かり、無意識に歩みを止めた。 もちろん、そこにコウヤはいない。(何が〈運命の女神〉よ……! 結局、女なら誰でも良かったんだわ) 小降りだった雨は、次第に雨足を増し、私の髪の毛からコートを冷たく濡らしていく。 コウヤがいなくなってから、もう一週間が経つ。 あの日、動物愛護センターへ行った私は、担当の職員から次のことを聞かされた。『昨日、保護した犬でしたら、獣医師の元で検査を受けています。 狂犬病や感染症を持っていないかチェックすることが目的です』『獣医師? それじゃあ、今ここにはいないってこと?』『はい。大きな犬でしたので、ここの検査機器では正確な検査が出来ないからと獣医師が言うもので……』『検査って、どれくらい掛かるものなの? すぐにここへ戻ってくる?』『それは、獣医師に確認をしてみないと何とも……』『じゃあ、どこへ行けば会えるのか教えて』『それも私の判断ではお教えすることは出来ません』『どうして? 別に連れ戻そうとなんてしないわ。 ただ会うだけだと言ってもダメなの?』 職員は、首を横に振る。 私は、一旦諦めたフリをして、職員にコウヤが戻ってきたら連絡が欲しいと電話番号と名前を伝えた。 そのまま動物愛護センターを出ると見せ

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