【R18】拾ったワンコは獣人でした。~イケメン獣人に求愛されて困っています。~

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last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-09
Oleh:  風雅ありすBaru saja diperbarui
Bahasa: Japanese
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雨の中、倒れていたワンコを拾った。 家に連れて帰り、世話をしてやると、元気を取り戻したワンコが人間の男の姿に?! 「この恩は、俺の身体で一生をかけて返す」 「結構です」 犬男は、異世界から来た<獣人(ベスティアン)>で、 一生の番(つがい)である<運命の女神(ファムファタル)>を探すため、この世界へ来たのだと言う。 「俺の運命の番(つがい)は、あなただけだ……」 そう言いながら、毎夜、身体を熱くさせられて……。 イケメン獣人に骨の髄まで溺愛される。 エロティックな恋愛ファンタジー。 ※R18表現 or シーンのある話には、タイトルに[※R18]を記載しておりますので、ご注意ください。

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Bab 1

1. 犬を拾った夜

 春先のまだ肌寒い、雨が降る夜のことだった。

 その日、仕事で帰りが遅くなった私は、暗い夜道を一人、傘を差しながら歩いていた。

 ここ最近、残業が続き、疲れていたのだと思う。

 ぼうっとした頭で、足元もよく見ずに歩いていたら、何かにつまづいて転んでしまった。

「ふぎゃっ」

 両手が塞がっていたせいで、そのまま顔面から地面にダイブする。

 べちゃ。

(ああ……オニューのコートが……)

 痛みよりもまず先にそれが気になった。

 というのも、思っていたより痛みを感じなかったからだ。

 お腹の当たりに柔らかなものが当たっている。

 何かと思い、身体を起こして見てみると、それは、一匹の大きな黒い犬だった。

「ひゃあっ……!」

 驚いて、変な声を上げてしまう。

 ぴくりともせず横たわっているので、死んでいるのかと思ったからだ。

「くぅ~ん…………」

 犬が苦しそうに鼻を鳴らした。

 どうやらまだ生きているようだ。

(どうしよう。私が踏んづけちゃったのかしら……)

 つまづいた感覚はあったが、踏んづけた感触はなかった筈だ。

 おそらく、私がここを通る前から倒れていたのだろう。

 犬の身体は、全身雨で濡れていたが、どこも出血しているような様子はない。

 と言っても、毛が長いので、明るいところでよく見てみないと、分からないかもしれないが、衰弱しているように見えた。

(飼い主は……)

 と、反射的に辺りを見回してみたが、この辺りは、木造のアパートが多く、こんなに大きな犬を飼えるような戸建ては見当たらない。

 犬の毛を掻き分けて、首の辺りを探ってみたが、首輪も付けていない。

 まさか野良ではないだろう。

(どうしよう……こんな時間に動物病院はやってないだろうし……)

 そもそも、動物を飼っていないので、どこに動物病院があるのかも、調べてみなければ分からない。

 でも、このままに放っておけば、確実にこの犬は死んでしまうだろう。

 子供の頃に飼っていた犬のことが頭に浮かんだ。

 私は、持っていた傘を畳むと、倒れていた犬を両腕で抱えて、

 そのまま自分の家へと連れて帰った。

   ♡  ♡  ♡

 私は、住んでいるアパートへ犬を連れて帰った。

 一人暮らしなので、誰に気を遣うこともない。

(誰も見てないわよね……)

 きょろきょろと辺りを伺う。

 確か、このアパートは、ペット禁止だった筈だ。

 私は、周りに誰もいなことを確認しながら、なるべく物音を立てないよう注意して、部屋へと入った。

「う~……寒いっ。あんたも私も、びしょ濡れね。

 まずは、お風呂かな」

 私は、犬を抱えたままお風呂へ入った。

 なるべく負担をかけないよう、ぬるま湯で身体についた汚れを落としてやる。

 すると、犬は驚いたのか、急に立ち上がって全身を震わせた。

 私の顔にまで水が飛び散る。

「きゃあっ! ちょ、ちょっと大丈夫よ。

 身体を綺麗にしてあげるだけだって」

 私が優しく声を掛けてやっても、犬は、うろうろと風呂場を歩き回り、落ち着かない。

 お風呂の扉を前足でがりがりと叩いているところを見ると、

 どうやらお風呂は嫌いらしい。

「もう~……それだけ動けるなら、大丈夫そうね」

 私は、犬が大きな怪我をしてなさそうなので安心した。

 ついでに、私も汚れた服を脱いで、手早く身体を洗う。

 コートは、あとでクリーニングに出そう。

「くぅ~ん……」

 突然、犬が困ったように鳴き声を上げた。

 見ると、壁の方へ顔を向けて伏せっている。

「どうしたの? やっぱりどこか悪いのかしら」

 私は慌てて、自分の身体についた泡をシャワーで落とすと、

 外からタオルを持って来て、犬の身体を拭いてやった。

「ほぁら、綺麗になったわよ」

 私の言葉に答えるように、犬が私の手を舐めた。

 まるで〝ありがとう〟と言っているみたい。

「ふふ、どういたしまして」

 私も身体を拭いて、一緒にお風呂を出た。

 ちょうど部屋の暖房が効いて、暖かくなっている。

 私は、パジャマに着替えると、ドライヤーで犬の毛を乾かしてやった。

 今度は嫌がらず、気持ちよさそうに目を閉じて大人しくしている。

「ハピを思い出すなぁ……よくこうやって、お風呂に入れてあげてたっけ」

 子供の頃に飼っていた犬を思い出して言った。

 ハピもお風呂は苦手で、ドライヤーをかけようとしても部屋中を逃げ回っていた。

 それを私が追い掛けていた時のことを思い出し、自然と笑みが零れる。

「あなたは、お利口さんね。えらい、えらい」

 犬は、褒められたことが嬉しかったのか、得意げに鼻を鳴らした。

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1. 犬を拾った夜
 春先のまだ肌寒い、雨が降る夜のことだった。  その日、仕事で帰りが遅くなった私は、暗い夜道を一人、傘を差しながら歩いていた。 ここ最近、残業が続き、疲れていたのだと思う。 ぼうっとした頭で、足元もよく見ずに歩いていたら、何かにつまづいて転んでしまった。「ふぎゃっ」 両手が塞がっていたせいで、そのまま顔面から地面にダイブする。 べちゃ。(ああ……オニューのコートが……) 痛みよりもまず先にそれが気になった。  というのも、思っていたより痛みを感じなかったからだ。 お腹の当たりに柔らかなものが当たっている。 何かと思い、身体を起こして見てみると、それは、一匹の大きな黒い犬だった。「ひゃあっ……!」 驚いて、変な声を上げてしまう。  ぴくりともせず横たわっているので、死んでいるのかと思ったからだ。「くぅ~ん…………」 犬が苦しそうに鼻を鳴らした。  どうやらまだ生きているようだ。(どうしよう。私が踏んづけちゃったのかしら……) つまづいた感覚はあったが、踏んづけた感触はなかった筈だ。  おそらく、私がここを通る前から倒れていたのだろう。 犬の身体は、全身雨で濡れていたが、どこも出血しているような様子はない。  と言っても、毛が長いので、明るいところでよく見てみないと、分からないかもしれないが、衰弱しているように見えた。(飼い主は……) と、反射的に辺りを見回してみたが、この辺りは、木造のアパートが多く、こんなに大きな犬を飼えるような戸建ては見当たらない。 犬の毛を掻き分けて、首の辺りを探ってみたが、首輪も付けていない。  まさか野良ではないだろう。(どうしよう……こんな時間に動物病院はやってないだろうし……) そもそも、動物を飼っていないので、どこに動物病院があるのかも、調べてみなければ分からない。 でも、このままに放っておけば、確実にこの犬は死んでしまうだろう。 子供の頃に飼っていた犬のことが頭に浮かんだ。 私は、持っていた傘を畳むと、倒れていた犬を両腕で抱えて、  そのまま自分の家へと連れて帰った。   ♡  ♡  ♡ 私は、住んでいるアパートへ犬を連れて帰った。  一人暮らしなので、誰に気を遣うこともない。(誰も見てないわよね……) きょろきょろと辺りを伺う。 確か、こ
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2. 犬を拾った夜2
 お腹が空いているだろうと思い、私は、近所にあるコンビニでドッグフートを買って来た。  でも、犬は、鼻を鳴らして、食べようとしない。「え~、せっかく買って来たのに……食欲がないのかしら」 見たところ外傷もなく、歩行にも問題はない。  とりあえず、お水だけは飲んでくれたので、少し安心する。「それとも、ケチって、安いドッグフードにしたから?」 だとすると、口の肥えた犬だ。  首輪はしていないようだが、お金持ちの家で飼われていたのかもしれない。 最近は、マイクロチップを首の後ろに入れて、首輪をつけない飼い主も多いのだと、  職場の後輩が話していたのを思い出す。  もしそうなら、保健所に連れて行けば、調べてもらえるだろう。「保健所かぁ……やっぱり連れて行かなきゃダメだよね。  でも、もし飼い主が見つからなかったら……」 引き取り手のいない犬を保健所が面倒を見てくれる筈がない。  そうなった時のことを考えると、保健所へ連れて行くのは躊躇われた。「でも、お前のこと探している人がいるかもしれないものね。  やっぱり明日、連れて行こう」 犬が首を傾げて、私を見上げた。  黒と白の毛に、所々、赤茶色の斑模様が入り交じった不思議な毛色をしている。  鼻先の通った凛々しい顔。「お前、イケメンねぇ。  人間だったら、きっとモテモテよ」 薄緑色とも黄緑色とも見える円らな瞳が私をじっと見つめている。  まるで、私の言葉を理解しているかのようだ。「それに……とっても綺麗で、澄んだ目をしているのね」 私は、犬の首筋を撫でてやった。  すると、犬は、嬉しかったのか、私の手の甲を舐めた。 ちょうどその時、電子レンジがチンと鳴った。  さっきコンビニで買ってきたカレーライスを温めていたのだ。「あーもうお腹ぺこぺこ。  さっさと食べて、早く寝よう~」 私は、電子レンジからカレーライスを取り出して、机の上に置いた。  蓋を開けると、スパイスのいい香りが私の食欲をそそる。「あ、そう言えば、福神漬けがまだあったっけ」 私は、先日スーパーで買ったおいた福神漬けがまだ冷蔵庫に残っていたことを思い出し、冷蔵へ向かった。 そして、冷蔵庫から福神漬けを取って戻ってくると、  犬がカレーライスに顔を突っ込
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3. 見知らぬ男[※R18]
 朝、何だか胸元がすーすーするな、と思って目を開けた。  カーテンの隙間から入る陽の光が、見慣れた部屋の中に光の筋を作っている。「んあっ……」 首筋を何かに舐められて、思わず変な声が出た。  そう言えば、昨夜、犬を拾ったんだ……と思い出した私の視界に、黒と白の髪の毛が映る。(………ん? 髪の毛??)「あ、起きた?  おはよう、俺の運命の女神……」 突然、私の視界に見知らぬ男が現れた。  そのまま、ごく自然な動作で口付けされる。  男の唇からは、ほんのりカレーの味がした。「き、きゃあ~~~!!!」 私は、男を思いっきり突き飛ばして叫んだ。  突き飛ばされた男は、ベッドの上で、目を丸くしてこちらを見ている。 しかも、何故か上半身が裸である。「だ、だだだだ……誰よ、あんた?!」 男は、整った顔立ちで優しく笑みを作ると、自分の胸に手を当てて答えた。「俺の名は、コウヤ。昨夜、あなたに助けてもらった」「………え? 助けた?」 昨夜、私が助けたのは、確か大きな犬だった筈。  こんな大きな男の人を助けた記憶は、まるで無い。 一瞬、私は、異世界に飛ばされてしまったのだろうかと思った。  でも、今いる場所は、よく見知った私の部屋だ。  異世界ではないとなると、残る可能性は1つ。「………なんだ、夢か」 ほっとして、下を向いた私の視界に、  ボタンの外れたパジャマの隙間から露わになった2つの乳房が見えた。  先程から、胸元がスースーすると思っていた。「な、な、なななな……」 あまりに気が動転して、なんで、という簡単な言葉すらうまく出てこない。  男は、私の手を取ると、甲に口付けを落として、その整った顔で私を熱っぽく見つめた。「助けてくれて、本当にありがとう。あなたは、俺の運命の女神だ。  この恩は、俺の身体で返す。俺の一生をかけて、あなたを愛すると誓うよ」 よく見ると、男は、上半身だけではなく、下半身にも服を着ていない。  男の中心から逞しくそそり立つ棍棒が私の方に先端を向けているのを見て、私は正気を失った。「いやあああああーーーーー!!!!」   ♡  ♡  ♡ 休日の朝。  普段なら、寝たいだけ寝て、ブランチを食べに出掛ける
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4. とりあえず……デート?
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5. 運命の番――は、犬?
 突然、後ろから私に抱きついて来たのは、犬男……コウヤだった。 着る服のないコウヤのために、私が恥を忍んで買って来た服(下着込み)を公園の公衆トイレで着替えて、戻って来たのだ。 突然抱きつかれた私も驚いたが、目の前にいる純也と百合の方が更に驚いた顔で、  私と、私の背後に現れた男を見つめている。「ちょ、ちょっと、急に後ろから抱きつかないでよ。  びっくりするじゃない」「ごめん。つい、嬉しくて。だって、やっと見つけたんだ。  俺の<運命の女神>……」 そう言って、コウヤは、純也と百合が見ている目の前で、私の頬に口づけした。「ちょっと、何するのよっ。  恥ずかしいから、そういうことを外でやるのはやめてよね」 私は、コウヤを押しのけると、口づけされた頬を隠すように手を当てた。 元が犬なのだ。  口づけされたというよりも、犬に舐められた、という感覚に近いのかもしれない。  そう自分に言い聞かせるが、コウヤの整った顔立ちを前に、  私は、胸の鼓動が早くなるのを止めることができなかった。 コウヤがにやりと笑みを浮かべる。「そうか、外じゃなかったら良いんだな」「なっ……」「西野、そいつ、誰?」 低く少し怒ったような純也の声で、私は我に返った。(なんで、あんたが怒ってるのよ) 何故か不機嫌そうな純也の横で、百合は、顔を赤くしてコウヤの方を見ている。  私は、何となく嫌な予感がした。「えっと、この人は……」 私がどう説明しようかと迷っていると、コウヤが代わりに答えた。「俺は、ファムの一生の番になる男だ。  お前こそ、俺のファムに何の用だ?」「何勝手なことを……」「番って…………そいつには、名前で呼ばせてるんだな」 純也が傷ついたような怒った顔で私を見る。  一体何の事かと思ったが、私が聞き返す前に、百合の黄色い声がそれを遮った。「きゃー♡  先輩ったら、いつの間に、そんなカッコイイ彼氏作ったんですか?  紹介してくださいよぉ」 百合は、純也に絡ませてた腕を解くと、コウヤに向かって、はにかんだ様な笑顔を見せる。「私、先輩と同じ大学の一個下で、水谷百合って言います。  いつも先輩には、恋愛相談とか乗ってもらってて……」 私は、その光景にデジャブを覚えた。
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6. ワンコとカレーライス
「うおっ……なんだ、この美味いメシは?!」 コウヤは、目を輝かせながら、注文したカレーライスを食べている。 食欲をそそるスパイスの香りが私の方にまで漂ってくる。 今、私とコウヤは、レストランで向かい合って、座っていた。 朝からコーヒー以外何も口にしていないので、二人とも空腹だった。「美味しそうに食べるわねぇ。 あなたの異世界には、ないの? カレーライス」(私もカレーライスにすれば良かったかな) 私は、自分の注文したサラダとパスタを食べながら、コウヤに訊ねた。「俺のいた世界では、肉が主食なんだ。 こんな美味いメシを食べたのは、生まれて初めてだ」 コウヤは、あっという間にカレーライスを平らげると、お代わりを注文した。(っていうか、支払いするの私なんだけど) 私がパスタを食べ終わる前に、コウヤは、2皿目のカレーライスを平らげてしまっていた。 3皿目を頼もうとするコウヤを止めて、私は、ずっと聞きたかったことを聞いてみた。「それで......コウヤは、いつ自分のいた世界へ帰るの? っていうか、帰れるものなの?」「ああ、帰れる。 でも、帰る時は、ファムも一緒だ」 にこっと笑いかけられて、思わずつられて私の頬も緩む。「......って、違う違う。 なんで私も一緒に行かなきゃいけないのよ。 ってか、さっきから気になってたんだけど、その〝ファム〟って呼び方、何?」「<運命の女神>のことだ。 あんたは、俺の番になる女だからな」「つまり、愛称ってわけね。......いや、ならないからね? ってか、番って、意味分かって言ってる? 結婚するってことよね??」 もしかしたら、コウヤのいた世界では、別の意味をもつ可能性もあるかもしれない。 そう思い、念ため聞いてみた。「番は、共に子を生し、一生を添い遂げる相手という意味だ。 俺たち<獣人>は、生涯をただ1人の相手だけと決めたら、死ぬまで離れることはない」 コウヤが真っ直ぐ私を見つめて言うので、私は、どきっとした。「ふ、ふぅーん......ロマンチックなのね。 でも、そんな大切な相手を簡単に決めちゃっていいの? 私たち、知り合ったばかりよ」「簡単なんかじゃない。行き倒れてた俺を助けてくれたのは、ファムだ
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7. 元カレからのメッセージ
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8. 純也との馴れ初め
 純也と私は、同じ大学の同級生として知り合った。 学科は違っていたけれど、同じキャンパス内で顔を見知るくらいに純也は目立っていた。(また違う女の子連れてる......) 初めは、チャラい男だな、くらいにしか思っていなかった。 直接話をしたことはなかったけれど、同じサークルに入ったことをキッカケに、少しずつ言葉を交わすようになった。 私は子供の頃、犬を飼っていたこともあり、犬猫の里親を探すボランティアサークルに入っていた。 純也は、どちらかというとテニスサークルとか演劇部とか……華やかなサークルに入っているイメージだったから、同じサークルに入ったと知った時は、驚いた。 たまたま二人きりになる機会があり、会話に困った私は、思わずそのことを口から漏らしてしまった。(しまった、嫌味に聞こえちゃったかな……) と思ったものの、彼は、あっけらかんとした口調で教えてくれた。『高校までは、俺、テニス部だったんだけど、怪我しちゃって...... まあ、今もたまに助っ人で、テニスサークルの試合に出ることもあるけど、 やっぱもう前みたいには動けないよなぁ。 悔しいけど、スポーツの世界じゃよくある話だし。 テニスだけが全てじゃないもんな』 笑いながら話す内容ではないと思ったが、純也のそういう前向きで、相手に気を遣わせない物言いに、私は好感を持った。私にはないものを、彼はもっていた。 里親サークルには、女友達に誘われて入ったそうなのだが、その女友達と恋愛関係で一悶着あったらしく、女の方は、すぐにサークルを辞めてしまった。『……意外。すぐに辞めちゃうかと思った』 純也は、私の嫌味に怒るどころか、笑って言った。『俺って、人の期待を裏切るタイプの男なんだ』 純也は、内向的で他人と距離を置きたがる私とは真逆の性格で、 明るく誰とでもすぐに打ち解けられ、いつも人の輪の中心にいるタイプだった。 私とは住む世界が違うと思っていたから、まさか自分が彼の恋愛対象になるなんて、考えもしなかった。 ある時、純也がぽつりと言った。たった今おもいついた、というように。『西野って、なんか猫っぽいよな』『愛嬌がないって言いたいの?』『違うよ。誰にも媚びないところとか、 かっこいいなって。それに……猫って、可愛いじゃん』』『……な、何よ、急に。 そんなに褒めても、
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10. 嫉妬[※R18]
『今日は、会えて嬉しかった。 俺、やっぱりお前のことが好きだ。 このまま終わりにしたくない。 ちゃんと会って話がしたい。 今夜10時、いつもの公園で待ってる。』 純也からのメッセージを見て、私の思考が固まる。(……は? 今更、何を言ってるの? 百合と浮気してたのは、純也でしょ。 私よりも百合を選んだんじゃなかったの? ……っていうか、卒業したら結婚するとか話してなかった?? 百合と付き合ってて、私にこんなメッセージを送ってくるなんて……) ふつふつと湧き上がる怒りが、私のスマホを握る手を震わせる。(……馬鹿にしているとしか思えない!)「行くわけないでしょ、ばか男っ!!」 私は、思わず叫び、持っていたスマホをベッドの上に投げ付けた。「ファム、どうしたんだ。大丈夫か? ……それ、何て書いてあったんだ?」 コウヤが心配そうな表情で、私の顔を覗き込む。(そっか。コウヤは、日本語が読めないのか……) ほっとしたような、少し残念なような、そんな気持ちになる自分に驚く。 私が答えないでいると、コウヤは何かを察したように少し怖い顔をして言った。「今日、公園で会った男からか」 どきり、とした。どうしてわかったのだろう。「え、どうして……字が読めないんじゃないの?」「なんとなく。俺の鼻は、よく効くんだ」 ”勘”ではなく”鼻”と言うところが<獣人>らしい。「あの男は、ファムと一体どういう関係なんだ?」 私は、コウヤに話すべきかどうか迷った。 もう関係ない、と頭では割り切っていても、やっぱり心の中は晴れない。 今まで純也とのことは、誰にも話したことがない。 だからこそ今は、誰かに話を聞いてもらって、スッキリしたい気分だった。「……昔、付き合っていたの。学生の頃に。 でも、うまくいかなくて、卒業前に別れたのよ。 それ以来、ずっと連絡もなかったのに、なんで今更……」「付き合ってたって……そいつは、ファムの番だったのか? でも、今日あいつは、他の女と一緒だった。 ……今もファムは、あの男のことが好きなのか?」「まさか! この世界では、くっついたり、別れたり……浮気したりなんて、日常茶飯事なのよ。 一生でたった一人の相手とだけ添い遂げるなんて、そっちの方が珍しいわ。 コウヤの世界とは違っ
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