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第13話 雨音の密室、あるいは血族の殺意

Penulis: okameki
last update Tanggal publikasi: 2026-07-28 11:15:51
「権力の蜜を舐めた舌は、自分が食物連鎖の頂点に立ったと錯覚する。だが、その滑稽な全能感は、バックミラー越しの『見知らぬ両目』と合った瞬間、無残に打ち砕かれた――」

◇

 西中洲の料亭を出た私を乗せ、黒塗りのハイヤーは深夜の福岡市内を滑るように走っていた。

 窓の外では、雨に濡れたネオンサインがアスファルトに滲み、毒々しい色彩を放っている。

 後部座席の深い革のシートに体を沈めながら、私は吐く息の熱さに酔いしれていた。

 地元の有力者である大林を、たった数枚の紙切れで社会的に抹殺した。かつての私なら、権力者の恫喝に怯え、震えながら頷くしかなかっただろう。

 だが今の私には、テソングループという絶対的な魔王の後ろ盾がある。この街の人間など、私の指先一つでどうにでもなる。そんな全能感が、胸の奥の空洞を満たしていた。

「……運転手さん。エアコン、少し下げて」

 防音ガラスの向こう側、運転席に向かって声をかける。

 しかし、返答はない。

 制帽を被り、黒いスーツを着た運転手の背中は、いつもと同じように微動だにせず前を向いている。だが、ふと窓の外を見ると、流れる景色が天神の繁華
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