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第43話|エレーナ

Author: 酔夫人
last update publish date: 2026-10-24 19:00:26

【エレーナ視点】

.

「俺の知るアイシャは、植物を育てるのが下手くそだったんだけどな」

茶化すような言葉。

だけど、おじ様の口から母様の名前が出て驚いた。

聞いたのは、最初に会ったときだけ。

――アイシャ?

あのときだけ。

その後は、母様の名前を呼ばなかった。

それなのに、なんで呼んだの?

おじ様の顔を見たけれど、分からない。

何も読めない赤い瞳にイラッとした。

――短気は損よ。

……母様だけには言われたくないよ。

大きく息を吸って、イライラする気持ちを抑えた。

.

「どうぞ」

誰かに引いてもらった椅子に座るのにも慣れてきたのに。

その『誰か』がおじ様だから、緊張してしまう。

私が椅子に座ると、おじ様も向かいの席に腰を下ろした。

私がショートケーキを食べ始めても、クッキーを食べない。

なんか

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