『氷河末世で殺された私、30日前に回帰して百億の物資を異空間へ備蓄します ~凍えて助けを求めても、二度と扉は開けません~

『氷河末世で殺された私、30日前に回帰して百億の物資を異空間へ備蓄します ~凍えて助けを求めても、二度と扉は開けません~

last updateLast Updated : 2026-09-02
By:  常陸之介寛浩Updated just now
Language: Japanese
goodnovel12goodnovel
Not enough ratings
2Chapters
6views
Read
Add to library

Share:  

Report
Overview
Catalog
SCAN CODE TO READ ON APP

零下七十度の氷河末世。白川恋は、情けで家に入れた元恋人・水城拓斗に暴行され、物資と最後の防寒着まで奪われた。強欲な隣人たちが見て見ぬふりをする中、彼女は凍死する。しかし目を覚ますと、世界が凍る三十日前に戻っていた。右手には、時間が停止し、無限に物資を収納できる異空間が宿っている。今度こそ誰も信じない。恋は全財産を投じ、食料、医薬品、燃料を買い集め、防爆シェルターを築き上げる。そして氷点下六十度の吹雪が街を襲った夜、かつて彼女を殺した者たちが扉の外で助けを乞う。「開けてくれ、凍え死ぬ!」――恋は暖かな部屋から冷たく告げた。「二度目の人生でまで、あなたたちを助けると思った?」

View More

Latest chapter

More Chapters
No Comments
2 Chapters
第1話 私を殺したのは、寒さだけではなかった
第1話 私を殺したのは、寒さだけではなかった 零下七十度まで冷え込んだ夜、街の外れに建つ小さな避難小屋は、吹雪に削られながら低い悲鳴を上げ続けていた。 板で塞いだ窓を氷の粒が絶え間なく打ちつけ、屋根を覆った分厚い雪が、古びた梁を今にも押し潰そうとしている。室内に残された暖房器具はとっくに燃料を使い果たし、床にも壁にも白い霜が広がっていた。吐いた息は顔の前で凍りつき、わずかに残っていた体温さえ、隙間風に少しずつ奪われていく。 白川恋は、凍りついた床に頬を押しつけたまま、うまく動かなくなった指を必死に握ろうとしていた。殴られた左の頬は熱を失っているはずなのに、骨の奥だけが焼けるように痛み、切れた唇から流れた血は、顎に届く前に赤黒く固まっていた。「お願い……それだけは、持っていかないで。食べ物は渡すから、その上着だけは返して。今夜、この寒さで何も着なかったら、本当に死んでしまう」 自分の声とは思えないほど弱々しい声だった。歯が激しく鳴り、言葉の途中で何度も舌を噛みそうになったが、それでも恋は、目の前に立つ男の足首へ縋りついた。 水城拓斗は、恋が最後まで手放さなかった厚手の防寒着を抱え、面倒そうに眉をひそめていた。氷河末世が始まる前、彼は恋と二年間付き合っていた元恋人だった。金遣いが荒く、仕事も長続きせず、都合が悪くなるたびに涙を見せて謝る男だったが、恋はそのたびに「誰にでも失敗はあるから」と自分を納得させ、別れてからも完全には突き放せずにいた。 世界が凍り始めたあの日も、拓斗は恋の避難先を突き止めてやって来た。玄関の外で震えながら、「一晩だけでいい。朝になったら必ず出ていくから」と何時間も哀願したのだ。 恋は迷った末に扉を開けた。かつて愛した人間を、目の前で凍死させることなどできなかった。 その決断が、自分の命を奪うことになるとも知らずに。「死ぬって言われても、俺だってこれがなきゃ死ぬんだよ。おまえは下にまだ何枚も着ているだろう。俺なんか、この薄いジャンパー一枚で、ここまで歩いてきたんだぞ。少しくらい俺の立場も考えてくれよ」 拓斗は苛立った口調で言いながら、縋りつく恋の手を靴の先で振り払った。その顔には、玄関の外で見せていた殊勝な表情も、恋に許しを請うていた男の弱々しさも残っていなかった。「そのジャンパーの下に、私が貸したダウンを着ているでしょう
last updateLast Updated : 2026-09-02
Read more
第2話 すべてを売り、奴の手から消える
第2話 すべてを売り、奴の手から消える スマートフォンの着信音は、白川恋が根負けして電話に出るまで、決して鳴りやむつもりがないかのように寝室へ響き続けていた。 画面に表示された「水城拓斗」という四文字を見つめているだけで、恋の腹の奥には、前世で蹴りつけられたときの鈍い痛みが蘇ってくる。最後の防寒着を奪われ、凍りついた床へ倒れている恋を見下ろしながら、「自分で扉を閉めればいい」と言い捨てた男の顔も、つい先ほどの出来事のように鮮明だった。 もし今、電話に出たなら、拓斗はどんな声を聞かせてくるのだろう。 きっと弱々しく息を吐き、別れてから恋の大切さに気づいたとでも言うのだろう。自分がどれほど後悔しているかを長々と語り、最後には「一度でいいから会ってほしい」と頼み込むに違いない。 以前の恋なら、たとえ嘘だと疑っても、電話に出ないのはあまりに冷たいのではないかと悩んだはずだった。相手が困っているなら、話くらい聞いてあげてもよいのではないかと、自分から拒絶する理由を一つずつ潰してしまっただろう。 しかし、凍死するまで利用された今の恋に、拓斗の芝居を信じる余地は残っていなかった。「あなたが忘れられないのは、私ではないでしょう」 恋が冷え切った声で呟いた直後、長く鳴り続けていた着信が途切れた。すぐに留守番電話の通知が表示され、続けてメッセージが届く。『久しぶり。突然電話して悪かった。別れてから俺もいろいろ考えたんだけど、やっぱり恋のことが忘れられない。あの頃は俺も仕事で余裕がなくて、おまえに甘えていたと思う。今度こそちゃんと話し合いたいから、今日の昼にでも会えないか? 恋の好きだった店を予約してもいいし、家へ行ってもいい。返事を待ってる』 恋は最後まで読み終えてから、小さく息を吐いた。 この時期の拓斗が、恋との別れを後悔するほど自分を省みていたはずはない。前世でよりを戻してから、酒に酔った拓斗は、複数の消費者金融と知人から借金を重ねていることを白状した。家賃も三か月滞納しており、間もなく現在の部屋を追い出されるところまで追い詰められていた。 別れた恋へ今さら連絡してきたのは、借金の返済を肩代わりさせ、住む場所を確保するためだったのだ。 恋が大手企業の課長として安定した収入を得ていることも、亡くなった両親から不動産と数千万円の遺産を相続したことも、拓斗は知
last updateLast Updated : 2026-09-02
Read more
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status