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第7話

Author: 希美
私は玄関へと向かい、靴を履こうとした。

すると和彦は急に焦った様子で駆け寄り、ドアを塞いだ。「どこへ行くんだ?」

昨日の離婚話や、荷物をまとめて出ていこうとしたことが、彼をひどく不安にさせたようだ。

警戒する彼の目を見て、これ以上長引かせるのも面倒だった。私はとっさに言い訳をした。

「会社よ。今日は外せない会議があるから、どうしても行かなきゃいけないの」

「そうか……」和彦の険しい表情を少しだけ緩め、初めてこう提案した。「なら、俺が送るよ」

私は断らなかった。会社に着いた後でタクシーに乗って空港に行けば、結果は同じなのだから。

車に乗り込むと、和彦は玲奈の話題を切り出してきた。

「安藤さんのこと、やっぱり嫌いなのか?」

玲奈が和彦の前に現れたのは、1年前のことだった。

その間、私は嫌いだと言葉にして何度も伝えてきた。

だが、和彦はそのたびに、私のやきもちだと受け流してまともに聞いてくれなかった。

今になって急に彼がそんな話を始めた意図も、何を望んでいるのかも、もう分からなかった。

私は視線を窓の外にそらした。

「別に嫌いじゃないわよ。むしろ、今は感謝している
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