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第9話 マンションと友達

last update Last Updated: 2025-09-25 06:00:00

住宅会社さんまで行き、車を停めて、スタッフさんの車に乗せていただいて移動するようだ。

ヒロさんが挨拶している。が、なんだかにこやかだ。

──ん? 知り合い?

私もご挨拶する。

「はじめまして、担当させていただきます、滝沢と申します。本日は、よろしくお願い致します」

「椿と申します。よろしくお願いします」というと、

滝沢さんは、ヒロさんの方を見て、

「お前、こんな可愛い子、どこで見つけたんだよ!」と言っている。

そして、ヒロさんが笑いながら私に、

「あ〜ごめん、滝沢は、高校の時の友達」と言った。

「あ、そうなんですね。お世話になります」と言うと、

「こちらこそ、ありがとうございます」と。

驚いた! 友達が担当なら先に教えてくれれば良いのに……と思った。

「では、早速参りましょうか、どうぞ」と車に案内されて、2人で後部座席に乗る。

「本日は、3件のご案内予定でございます」

と言われた。

──そうなんだ、と思いながら、

「はい」と返事をした。

「あらかじめ、大翔の方から希望は聞いておりますので、それでピックアップさせていただきましたので、よろしくお願いします」と。

「あ、はい。よろしくお願いします」

と返事をしながら、『そうなんだ!』という顔で、ヒロさんを見る。

ニコニコしながら、『うんうん』と頷いている。

最初は、1人で住む為のマンションなんだものね。

探し始めた時点では、私は、まだ全く関係なかったのだから。

そう思いながらも、現地に着くと、

「うわ〜素敵〜!」とか、

「景色が綺麗〜! 広〜い!
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