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第6話

Author: アイスクリームが美味しい
まさか、最初に私を見つけ出すのが、浩人の母親だとは思わなかった。

その日の午後、私は会社の下にあるカフェで企画書を修正していた。

そこへ、ベージュのトレンチコートを着た中年の女性が、私の向かいに座った。

「蘇我さん」

彼女はサングラスを外した。

「私のこと、覚えてる?」

陸川玉美(りくかわ たまみ)は浩人の母親だった。

3年前、彼女に会ったのは一度きりだった。

あのときも、彼女は私の向かいに座り、見下ろすような口調で言った。

「蘇我さん、あなたと浩人は合わないわ」

どうして忘れられるだろう。

……

「おばさん」

私はペンを置いた。

「何かご用ですか?」

「あなたと浩人が、今、一緒にプロジェクトを進めていることは知ってるわ」

彼女は店員が運んできたお茶を手に取り、一口すすった。

「今日は、あのとき言えなかったことを話しに来たの」

私の胸の奥が、すっと重くなった。

「3年前、私があなたたちの交際に反対したのは、家柄が釣り合わないと思ったからだと思ってる?」

「違うんですか?」

彼女はしばらく黙っていた。

その目には、今まで見たことのない疲れが滲ん
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