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137.好きと言われる方法⑤

作者: Aica
last update 最終更新日: 2025-12-02 00:57:32

「ほい。依那」

それから午後の仕事をしばらくし、休憩してると、部署の周りに誰もいないタイミングを見計らって桜子がデスクの上に何かを置いた。

「ん? 何?」

「社長のインタビューが載ってる社内報。んで、これが後輩に借りてきた雑誌」

「え?」

「それにさ、会社立ち上げん時からちょっと前までの社長のインタビューそれぞれ載ってるからさ。ちょっと読んでみて、社長のこといろいろ知ってみたら?」

「え、これ全部に社長載ってるの?」

「それでもまだ一部だけどね。とりあえず今集められるモノだけ集めてきた」

「わざわざ集めてくれたの?」

「あんた今まで社長のこういうの必要以上に目に入れなかったでしょ」

「あぁ。確かに。なんかそういうの見て皆騒いでた時、あたしルイルイに騒いでたよね?」

「そうそう。案外女子社員の中では、社長もちろん人気あるし、こういう雑誌に載った時も、すかさず皆見つけて騒いでたのに、依那はまったく興味示してなかったからね」

「うん。なんか皆の騒ぎ方が、それこそあたしの琉偉に対してと同じような感覚だったから。あたし的にはなんかそれが嫌でさ」

「うん。知ってる。仕事で尊敬してる相手だから、ミーハー心で社長のこと見たくなかったんでしょ?」

「そう。そういうのは、あたしには必要ないな~って。なんかそういう目であたしは社長を見たくなかったというか」

「だから、あんたはここの社員なのに、今まで社長の情報入れなさすぎなんだよ」

「そっか」

「うん。だから。そんな今社長のこと知りたいなら、とりあえず今までの社長それでチェックしな。仕事に対する考えとかプライベートのこととかいろいろ載ってるはずだから。今も昔も依那の知りたいこと、結構書いてあると思うよ」

「うん。わかった。ありがと」

桜子が預けていってくれた資料を早速チェック。

あっ、この社内報憶えてる。

あたしがこの会社に入った頃読んだやつだ。

ちょうど社長がインタビューに載ってて、この仕事へのやりがいやこれからやりたいこととかいろいろ語ってて、確かこれ読んでこの会社で仕事出来る喜び感じたんだよな。

そうだった。その頃からあたしはもう社長は心震えるような存在だった。

だけど、それは多分まだ尊敬から来る憧れみたいなもんで。

そしてそんな尊敬出来る姿を知れば知るほど、遠い世界の人に感じていった。

だけど、いつのまにか仕事じゃない外見や地位
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