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159.社長の本音⑦

Author: Aica
last update Last Updated: 2026-01-08 23:13:23

そしてそれからキリをつけ、社長のいるソファーへと行く。

「すいません。お待たせしました」

「ここ。隣座って」

キッチンに近いソファーの手前の方に無意識に座ると、社長がすぐ隣に来いと伝える。

「あっ、はい。失礼します」

そして、社長のすぐ隣に座る。

なんかいつもと違う雰囲気で、隣に座るのがなぜかちょっと緊張してしまう。

「料理作るの途中で止めて、悪い」

「あっ、いえ全然」

「オレが先に話しておかないと、気になって落ち着かなかったから」

「そんなにですか?」

「……あぁ」

え、あたし能天気に何も考えずに料理とか平然と作ってたけど、もしかして、なんかその沈んだ雰囲気……。

えっっ、別れ話しようとしてる!?!?

なんかわかんないけど、社長とはそういうのないような気がしてた。

ここからは前向きに社長と一緒に進んで行けるんだなって、勝手にそう思い込んでた。

だけど、あたしと社長にも絶対なんてない。

あたしはこの気持ちは絶対だし変わることはないけど、社長はそれが絶対だなんて保証出来ない。

あーー、あたしはなんで気付かなかったんだぁぁ。

でも、急にそんな風に思ってしまった理由って何?

正全然思い当たらない。

それどころか逆に、少しずつ社長はあたしのこと好きになってきてくれてるのかなって思ってた。

めちゃめちゃ余裕ぶっこいてた。

ヨッシーと噂されて気にしてないとか言ってる場合じゃなかった。

全然危機感とか持ってなかった。

「あのさ……」

「嫌です!!」

「……は?」

社長が話を切り出すのが怖くて思わず遮ってしまう。

「え、何が?」

「あたし。社長と別れたくないです!」

「……え? ちょっと待って。お前ん中で、何がそうなった」

「だって。そんな改まって話なんて……。別れ話かなって……」

「フッ。いや、だからお前はなんでいつもそんな極端なんだよ」

「……違うんですか?」

「違うに決まってんだろ」

「じゃあ、あたしに愛想尽かして嫌になったとかでもないですか……?」

「何に?」

「えっ?」

「お前がそう思う理由」

「いや……そう言われたら、理由はわかんない……ですけど……。でも、自分の気付いてないところで、あたしなんかやらかしちゃったのかなって……」

だって、そんな改まって沈んだ雰囲気で話あるとか言われたら、マイナスなことしか考えつかないじゃん。

間違いなく嬉しい話でも楽しい話でもないのは
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