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第42話

Penulis: むつき
朔弥の言葉を聞いた征士郎は、低い声で礼を告げると、急いで紗月のもとへ向かった。

その頃、紗月は裁判所の入口で、訴えの取下げに必要な手続きをしている朔弥を待っていた。

彼女は何度も、薬指にはめた指輪を指先でなぞっていた。

そのとき突然、人影が目の前に現れ、彼女を強く抱き締めた。

紗月の瞳が揺れる。

振り上げかけた手は、ゆっくりと下ろされた。「清野さん、何をしていますか?離して」

「最後に一度だけ、俺と一緒に来てくれないか」

そう言うと、征士郎はすぐに腕の力を緩め、彼女から離れた。

紗月は驚いたように征士郎を見つめた。「どこへ?」

「月影邸へ。最後に一度だけ、来てくれないか」征士郎は静かに答えた。

紗月はしばらく黙っていたが、やがて小さく息を吐いた。「……これで最後ですよ」

そう告げると、紗月は自分の足で車へ向かい、静かに乗り込んだ。

武陽が裁判所の中から駆け出してきたときには、すでに車は遠ざかっていた。

自分だけ置き去りにされた彼は、何とも情けない顔でその後ろ姿を見送る。

その背後から、朔弥がゆっくりと歩いてきた。

征士郎の車が遠ざかっていくのを見届けると、
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