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第3話

Auteur: パントーロ
空から細かい雨が静かに降り続いていた。

涼しい風が木々を揺らし、道の両側で枝葉がそよそよと音を立てている。

けれど、その風がどんなに吹いても、星奈の心はもう揺らぐことはなかった。

星奈は迷いなく電話をかけ、一つの目的を胸に、まっすぐ弁護士事務所へと向かった。

エレベーターに乗り込み、慣れた足取りでビルの一室に向かう。

ここに来るのは、星奈にとって初めてではない。

「村上先生、離婚協議書、今日中に仕上げてもらうことはできますか?」

向かいに座る村上修平(むらかみ しゅうへい)は眉をひそめ、手元の記録をめくっている。

「半分はもうできています。今日中に残業すれば、なんとか間に合うでしょう。

でも、星奈さんの以前の希望では、離婚は来月の予定でしたよね。どうしてこんなに早めることに?」

星奈は、わずかに微笑んだ。

「痛みが長引くくらいなら、早く終わらせた方がいいと思って。どうせ遅かれ早かれ同じことだから」

星奈は事務所に深夜まで残り、手にしたのは一冊の黒いファイルだった。

事務所を出てからも、星奈の眉間の皺は一度も緩むことがなかった。

「この離婚協議書には、双方の署名が必要です」

女である自分の名前は、すでにすべて記入し終えていた。

残るのは、隆成にどうやってサインさせるか。それが、もっとも大きな問題だった。

ふいに携帯の呼び出し音が鳴り響く。

画面には【安藤隆成(あんどう りゅうせい)】の名前が表示されている。

「星奈、今どこにいるんだ。こんな時間まで帰らないなんて。住所を教えてくれ、迎えに行く」

星奈は少し考えた末、ひとつの住所を伝えた。

「ええ、迎えに来て。ちょうど話したいことがあるの」

もし本当に迎えに来てくれるなら、このタイミングで全てを打ち明けるつもりだった。離婚の決意も、これからのことも、全部――

だが、一時間、二時間と時間は過ぎても、隆成は現れなかった。

やがて星奈がスマホを手に取り、電話をかけようとしたとき、ふとSNSのタイムラインが目に入った。

雫の自宅は真っ暗で、一本のろうそくの灯りだけがかすかに部屋を照らしている。その写真には、隆成の左手が映り込んでいた。

人影は薄暗くて分からなくても、その薬指の結婚指輪を星奈が見間違えるはずがなかった。

【家が停電で真っ暗。社長が一緒にいてくれた!】

星奈はしばらくその画面を見つめていたが、やがて静かに微笑んだ。

どうりで迎えに来ないはずだ。誰かに足止めされていたというわけか。

雫の投稿に【いいね】だけ押して、星奈は歩いて家に戻った。

家に着くと、身支度を済ませてベッドに横になる。

半分眠りかけたころ、ようやく隆成が帰ってきた。

ベッドに入るなり、ごく自然な動作で星奈の腰に手を回してくる。

隆成はそのまま、星奈を自分の胸に強く引き寄せた。

冷たい唇が星奈の首筋をかすめていく。

「星奈、俺たち、ずいぶんご無沙汰だったよな……」

隆成がそう囁くと、どこか甘ったるい香水の香りが鼻をかすめた。

その香りは、雫がいつも身につけているものとまったく同じだった。

思わず鼻がむずむずして、星奈はくしゃみをした。

その瞬間、なんとも言えない嫌悪感がこみ上げてくる。

疲れた声で、星奈は静かに隆成の腕を押しのけた。

「今日はやめておくわ。ちょっと、体調がよくないの」

これが、星奈が初めて隆成を拒絶した瞬間だった。

隆成は少し驚いたような表情を見せる。

それでも、星奈が何度もくしゃみをしているのを見て、ふと今日自分が約束を破ったことを思い出したのか、どこか申し訳なさそうな顔になった。

「星奈、もしかして風邪か?病院に連れて行こうか。

今日は本当にすまなかった。会社で急に仕事が入って、迎えに行くつもりが間に合わなかったんだ」

星奈は目を閉じたまま、かすかに首を振る。「大丈夫だから」それだけ言うと、もう口をつぐんだ。

五年間同じベッドで眠ってきたこの男は、結局、一度も星奈に本当のことを話してくれたことがない。

隆成に隠れて離婚協議書を作ったことに、わずかに感じていた罪悪感も、もうすっかり消えてしまっていた。
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