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第16話

Auteur: ネコのネコ
卓也はスマホを掴んだ。指が震えてまともに握ることすらできない。それでも、残された最後の一欠片の意識を頼りに、脳裏に焼き付いているあの番号を呼び出した。

海の向こうへ繋がる長い呼び出し音が響いた。

国内はちょうど未明だ。

鳴海は緊急の書類を処理し終え、眉間を揉みながら休もうとしている。すると、突然スマホが鳴り、画面に卓也の海外の番号が表示されているのを見て、無意識に眉をひそめた。言いようのない苛立ちが胸をよぎった。

――こんな時間に……

画面をスライドして繋いだ瞬間、言葉を発するよりも早く、受話器から卓也の掠れた、砕け散ったような、狂気じみた叫びが容赦なく耳に飛び込んできた。その声には、ひどく酔った口調と絶望的な泣き声が入り混じっている。

「兄貴……兄貴!」

鳴海の鼓動が一瞬で速くなり、声のトーンを落とした。

「卓也?どうした、飲みすぎたのか?」

「兄貴……俺、終わった……クソ、完全に終わっちまった!」

卓也の声はサンドペーパーで削ったようにざらつき、支離滅裂だ。

「あいつに嫌われた……見下された……気持ち悪いって言われたんだ……うっ……」

彼は嘔吐しているのか、
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