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第3話

Autor: マリモ
莉央は、行為のあとにベッドで寄り添う2人の写真を、私にメールで送ってきた。立て続けに打ちのめされ、私は床にへたり込んだ。

絶望したままスマホを開き、SNSへ投稿を書き込んだ。

【母が病床で生死の境をさまよっているのに、榊医師は、以前、手順を守らず医療事故を起こした教え子と不倫しています】

瞬く間に話題になったのを見て、2人のベッド写真も続けて公開した。ネットには莉央を不倫相手だと罵り、刑務所に入れろという声があふれ、ようやく怜司から電話が来た。

「汐里、何を考えてるんだ!莉央を脅したりして。お義母さんを助けてほしくないのか!」

いきなり怒鳴られ、スマホを握る手に力が入った。目の奥が熱くなるのを感じながら、私は言い返した。

「あの子がそんなに心配なら、早く来てお母さんの手術をしてよ」

しばらくして、電話の向こうでうんざりしたように鼻で笑う声がした。

「莉央を悪者にしたくて、そんな嘘までつくのか。手術の連絡なんて一度も来てないぞ!」

電話を切られて数分後、私の投稿に思いがけないコメントがついた。多くの「いいね」を集めていたのは、夫の書き込みだった。

【妻の榊汐里は精神疾患を抱えており、投稿の内容はすべて本人の妄想です。三崎医師が若く美しいことに嫉妬し、不適切な発言をしてしまいました。夫として、皆様にお詫び申し上げます。妻には三崎さんへ直接謝罪させますので、皆様にも見届けていただければと思います】

精神疾患の診断書まで添えられていた。その直後から、私のスマホは鳴りやまなくなった。

【病気なら病院へ行けよ。人に迷惑かけるな!】

【若い子に嫉妬してばっかりのくそばばあ。母親が死んだって自業自得だろ!】

【謝るまで母親の治療なんかしなくていい。そうでもしなきゃ、甘すぎるだろ!】

浴びせられる罵声を聞きながら、何を言っても信じてもらえないのだと絶望していると、再び怜司から電話が入った。

「今すぐ3階に来て、莉央に謝れ。嫌だと言うなら、お義母さんのことをよく考えるんだな」

冷えきった声で、母の命を盾にしてくる。けれど手術室の状況は悪く、一刻も惜しかったため、私は3階へ走った。

部屋に入るなり、配信中のカメラがいっせいにこちらを向き、その場にいた人たちも、私を奇異の目で見ていた。莉央は怜司の腕の中に隠れ、泣きじゃくっている。

「奥さんのせいで、私、ひどい目に遭ったんですよ……」

直後、雨のように平手打ちを浴びせられ、服をずたずたに引き裂かれた。「謝れよ、このクズ女!」という声とともに、誰かが膝の裏を蹴った。

ほとんど裸のまま人目にさらされ、口の端には血がにじんでいたが、怜司は眉を寄せ、目をそらした。私のせいで恥をかかされたとでも思ったのだろう。

そんなことに構っていられず、「謝るから。でも、お母さんの持病が再発したの。お願い……」と必死にすがったが、言い終える前に夫の顔が険しくなった。

「汐里、いい加減にしろ!手術をしてほしいなら、ここで自分の顔を100回叩いて謝れ。どうしても莉央の将来を台無しにしたいのか!」

次第に弱くなる母の息づかいが頭をよぎった。顎が割れてしまいそうなほど歯を食いしばったが、手を握る力さえ残っていない。

従おうとしたところへ医師から電話が入り、切迫した声が聞こえた。

「榊さん、お母様はもう長くありません。今すぐ来ていただければ、最期に間に合うかもしれません!」

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