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第108話

Auteur: ラクオン
心の中に渦巻いていた悔しさは、一瞬にして恨みへと変わった。

この女さえいなければ、とっくに一真と結婚できていたのに!

梨花は、ほとんど顔を上げることもなく、この場に全く興味を示さなかった。

それでも、ごく自然に振る舞っていた。

挨拶に来る人がいれば、笑顔で二言三言、言葉を交わす。

誰も来なければ、スマートフォンをいじったり、オークションのカタログをめくったりしていた。

まもなく、オークショニアがステージに上がり、オークションが正式に始まった。

最初の競売品は、平安時代の書画で、コレクション価価値が非常に高く、開始価格は二億円だった。

桃子は心が動いた。

こういう品は、転売すればかなりの儲けになる。

彼女が一真に声をかけようとした。しかし彼は隣の梨花に視線を落として尋ねた。「気に入ったか?」

梨花は実のところあまり興味がない。

しかし、桃子の欲しそうな眼差しを見て、あのお守りのことを思い出し、梨花は急に考えを変えた。「ええ、好きよ」

そうこうしているうちに、書画はすでに他の人によって六億円まで値が吊り上がっていた。

一真は札を上げた。「十億円」

「……」

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